「3年はその仕事を続けて技術や経験を磨きなさい」
よくこのように言われると思いますが、この本当の意味を知っていますか?
実は「とりあえずの3年」には様々な意味が込められているんです。
新人だからとにかく3年は頑張らなきゃ!というのは間違いで、今の仕事に疑問を持ってたらサクッと辞めてしまってもいいんでけどね。
▽職場のストレスが原因で1年目で辞めた話▽

「3年は続けろ」と言われる意味と、とりあえず3年の3年が過ぎた方に今後のキャリア形成の方法をお伝えします。
とりあえず3年働く意味
会社が損をしないため
「とりあえず3年働け」という言葉には実は「会社に損をさせるな」という意図があるんです。
新人は雇ってるだけで会社にとってマイナスなんですよ。
新人はまだまだ会社にとって戦力になっていません。
先輩から仕事を教わり、会社の売り上げに貢献するには入職してから半年以上経ってからではないでしょうか。
それでも給料きちんと払われていますよね?
理学療法士も、新人は免許が届くまで臨床に出れず、免許が届くまでは1円も稼げないんですよ。
それどころか、入職までにお金が非常にかかっています。
- 入職案内
- 入職手続き
- ロッカーの支給
- ケーシーの支給
- ネームプレートの支給
- タイムカード等の準備などなど
求人案内の段階から考えると、1人当たりざっと50万円はくだらないと思います。
つまり、新人が入社してきた時点ですでに会社は赤字なんです。
そのうえ、毎月25万円も支給しなきゃいけないので、会社にとって新人は「投資」みたいなもんなんです。
1年後、2年後にしっかりと稼いで勤めてくれることを祈って、最初に莫大なお金を積んで新人を雇っているんです。
そんな大型投資である新人が、1か月や2か月で辞めてしまったらどうでしょう?
会社にとっては大損ですよね。
だから新人がしっかりと会社に利益をもたらせる期間、つまり3年くらいは勤めて貰わないとペイできないんです。
これが「3年勤めろ」の最大の理由なんですよ。
つまり「3年勤めろ」は新人のスキルアップの為でなく、会社の利益の為に言っていることなんです。
一人前になるまでに3年かかるため
多くの病院では、卒後3年で理学療法士を一人前に育てる育成プログラムをベーシックとしています。
それは日本理学療法士協会でも推奨され、新生涯学習制度では3年かけて研修を行い、「登録理学療法士」と認定されます。
だいたい3年で一人前の理学療法士になれるように組まれているため、とくに上司たちは「とりあえずは3年」と言うんだと思います。
実務年数が3年経てば、家屋評価も1人で任せられますし新人教育や学生指導も先輩の助言を得ながら実施できるレベルになります。
退職金が支給されるため
多くの病院は、退職金が設定されています。
でも全員に退職金が出るわけではなく、入職して3年未満の場合は、退職金が出ない病院がほとんどです。
退職するなら、せめて退職金をもらってから…と考える人が多いので「とりあえず3年」という人もいるんだと思います。
転職で有利になるため
いまだに「とりあえず3年は勤めるべき」という考えの人が多いのが現状です。
ということは転職を考えた際、転職先の人事が「3年は経験が欲しい」と考えている可能性が非常に高いです。
特に理学療法士は即戦力がほしい病院が多いです。
すぐにでも単位を取ってくれないとお金が稼げませんからね。
だから1年目や2年目よりも3年目以上の実務経験があるほうが重宝されるんです。
求人票を見ると、「3年以上の臨床経験」と条件を入れている病院も見受けられます。
実際に私が転職活動をしたのも、実務経験3年が過ぎてからでした。



とはいえ、3年未満でもたくさん求人はあるので、決して1年目が不利になるとは言い切れませんけどね。
実際に1年目で転職した方の実体験もありますので、興味があればこちらをご覧ください。



とりあえず3年働くとどうなるの?
職場の印象が変わる
新人として入職し、最初は「嫌だな」と思っていた職場も3年経過することで色々な事が見えてきます。
3年働けば、職場の居心地も変化しますし、後輩もできて頼られることも増えてきます。
新人のときは、居心地の悪かった職場も、自分の居場所が出来てきて依然感じていたようなストレスがなくなってきます。(代わりに違うストレスが出てくるかもしれませんが・・・)
毎日注意されていた先輩とも打ち解けてきて、給料も上がってもしかしたら居心地の良い職場へと変貌するかもしれません。
つまり、慌てて転職や退職をしないで我慢してみれば環境は変わる可能性があるということ。
転職しても新しい職場に馴染めるかどうかは分かりませんからね。
とりあえず3年経つと職場の印象が変わると思います。
人間関係が変わる
新人の頃は毎日怒られたり、仕事ができなくて落ち込んでいることが多かったかもしれません。
でも少しずつ仕事を覚え、成長していくので人間関係が変わります。
新人の頃のように怒られることも少なくなり、後輩ができることであなたに対する評価も変わります。
もちろん、嫌いな先輩が退職して職場の雰囲気が変わる可能性も。
私も1年目の頃に辞めたいと毎日思っていました。
だって毎日見学と物理療法の補助しかさせてもらえなかったから。
それでも、半年が過ぎて担当患者を受け持ち、2年目に後輩が出来て業務もフル回転するようになると仕事が楽しく感じてきたと実感しました。
今の辛さがずっと続くわけではないと思うんですよね。
せっかく入職した職場だから、とりあえず3年勤めてみるのもいいのではとも思います。
とりあえず3年働かないほうが良い人
労働環境が非常に悪い人
以下に当てはまる人は、とりあえず3年なんて言ってられません。
すぐに辞めてください。
- 残業が月に45時間以上
- サービス残業が毎日ある
- 週6日勤務
- 職員または患者から暴力を受ける
- 無視、暴言、嫌がらせを受ける
- 片道2時間以上の通勤時間
上記に1つでも当てはまる場合はすぐに退職・転職することをおすすめします。
個人の力や技能ではどうにもできない労働環境では、そこで働くメリットはありません。
特に残業時間に関して厚生労働省による労働基準法の改正で、残業の月の上限45時間となりました。
45時間以上の残業をしている職場はダメです。
そもそも理学療法士にそこまで残業は無いはず。
また、一般的な通勤の平均時間1.19時間を超えている場合は、周りの人より明らかに職場環境が悪いので転職をお勧めします。
1年目、2年目の転職でおすすめなのは
スタッフの半数以上が医療業界で10年以上経験のあるベテランなので、詳しい情報を元に最適な求人を提案してくれます。
絶対にやりたいことがある人
病院でしか学べないことは確かにありますし、3年間で学べることは非常に多いです。
でもあなたの理学療法士人生で、どうしてもやりたいことがあるのであれば我慢せずその道に進むことをおすすめします。
例えば
- スポーツ整形を診たい
- 小児疾患に興味がある
- 理学療法士以外の仕事に興味がある
など。
私の勤めている病院でも、2年目の理学療法士が小児を見たいと言って退職していきました。
そういう志があるのであれば、とりあえず3年なんて呑気なことを言ってないで早く行動するのがいいと思います。
若いうちに動いたほうが絶対に良いです。
もしこの記事を読んでいて「スポーツ整形」「小児疾患」に興味がある方がいたら
1万件以上の求人情報があり、通常ではなかなか見つけられない求人情報も多いんですよ!
給料が絶望的に低い人
いくらやりがいがあっても、給料が絶望的に低い職場で働くくらいなら転職したほうが良いです。
基準は以下の通り。
- 総支給額が20万円以下
- 手取りが15万円以下
- 年収が320万円以下
- ボーナスが年間20万円以下
上記4つのうち、1つでも当てはまるようであればその職場の給料は最低水準です。
そんな給料では1人暮らしも厳しいですし、貯金や趣味活動なんかできません。
結婚なんてムリムリムリムリ!
いくら職場環境がよくて、スタッフも良くて、通勤時間も短くても、給料が低い所は避けたほうが良いです。
この給料で許せるとしたら、市立病院や国立病院などの公務員系ですかね。
それでも低すぎますけど。
なんで給料が少ないとヤバいのか、こちらの記事に詳しく書いてあります。



とりあえず3年働く?理想の転職時期は?
1年目ですぐに転職する
もしも今の職場が合わないと感じていたら、1年以内に退職するのがおすすめです。
理由はいくつかあり、
- 無駄な時間を過ごさないため
- 次のステップに早めに移行したほうが良いため
- 1年目はまだ賞与や退職金が出ないため
などが挙げられます。
時間はお金より貴重です。
もし今の職場でイヤイヤ働いている時間があるなら、もっと良い職場で有意義な時間をす押したほうが絶対にマシです。
みんなちょっとくらいイヤになることはあります。
でも、死ぬほど嫌だったり、仕事に本気で行きたくなくなったりするような職場はヤバいと思います。
実習に行った病院で、2年目のスタッフさんが「毎朝道路に飛び出したくなるような気持ちで必死で来ている」と話していたことを今も忘れません。
そんなクソみたいな職場だったら、今すぐにでも辞めるべきです。
絶対に良い職場は見つかります。
とりあえず3年経つまで我慢して転職する
とりあえず3年働き続ければ、それなりに転職活動でも優遇されます。
死ぬほど職場が嫌なら1年目でもすぐに転職したほうがいいですが、なんとか我慢できるレベルの職場なら3年我慢したほうがメリットは多いです。
ボーナスも満額貰えますし、退職金も出ます。
なにより「3年継続して勤務した」という事実により、転職活動が有利になるんです。
もちろん即戦力として活躍できるので、いま2年目の方や、仕事は嫌だけど我慢できるレベルの人は3年目まで我慢することをおすすめします。
とりあえず3年働いた人の声
とりあえず3年の3年が過ぎました
「とりあえず3年。」の3年が過ぎました。転職めっちゃ考える
— 柚子ぽん油 (@Citron_oil) April 29, 2017
とりあえず3年と思って働けば、当然3年過ぎれば転職を考えるもの。
できればずっと働ける職場に入職したいですよね。
「とりあえず3年頑張ろう」という考えで入職すると、結局「3年しか頑張れない」のかも。
気付いたら3年経ってた、というくらい集中して取り組める職場のほうが圧倒的に良いですね。
とりあえず3年が気づけば6年
とりあえず3年だけって始めた保育士、もう6年経つ…もうやめよっかなって今日でほんまに思った。頑張っただけ損する仕組みなに😂
— りかりか (@sa4_rkrk) January 11, 2022
忙しい毎日に追われ、気づけば3年どころか6年も・・・
仕事に慣れたのか、意外と自分に合っていたのかわかりませんが、ふと気づいたときに転職したいと思ってしまう事も多いよう。
やっぱり自分い合った職場で働けるのがいちばんです。
とりあえず3年は意味なし
辞めるなら早い方がいい。とりあえず3年は意味なし。1年たたずに入社した会社を辞めた。結果出しても評価してもらえずモチベーション下がる日々。ちゃんと相談できる同僚や上司もいなかった。でもあの決断で、よかった。転職して、環境の重要さが身にしみた。冷静になって無理せずに、合う場所を選ぶ。
— らびと | 30代の伸びしろ (@rabit_biz) February 2, 2022
辞めるなら早いほうがいいのは間違いないですが、目的もなく辞めてしまうのは問題。
なぜ辞めたいのか、次はどんな職に就きたいのかしっかり考えてから転職したほうが良いです。
でも、まいにち「辞めたい」と思ってしまう職場は転職すればだいたい今までより良い生活を送ることができます。
3年じゃなく1年でも変われる
人生は半年〜1年で大きく変えることができる。「とりあえず3年会社勤めすっかあ」なんてことはしなくてもいい。自分が本気を出せば半年〜1年で人生を変えることができる。
— せがわはると (@hasuto8888) February 10, 2022
3年も同じ職場で我慢する必要はありません。
次にやりたいことが見つかれば、3年待たずに転職してもいいと思います。
もちろん、特にやりたいことがなければ働きながら次のステップを考えてもOKです。
まとめ:とりあえず3年の理由
3年勤めることがあなたの為でないという事が分かれば、別に働きたくもない職場で3年も頑張る必要ないと思います。
新しい職場になっても、仕事の流れなんて3か月もあれば覚えます。
実際に1年目で転職をした人もいますし、私の病院でも辞めて次のステップに進んだ新人がいます。
そして、2年目で転職してきた方も当院に居ますが、特にいじめや冷やかしなどなく普通に働いていますよ。
スポーツ整形を診たい!脳神経外科で働きたい!という思いがあるのに、それとは別の職場で3年も頑張るなんて時間の無駄でしかありません。
いますぐ目的とする領域に飛び込んでスキルを磨いたほうがよっぽど良いですよ。
貴重な時間を無駄にしないようにしましょう。
効率よく、そして転職で失敗しないようにするには転職サイトに登録することは必須です。
今すぐの転職希望でなくても、情報収集もできるので登録だけでもしておくといいですね。
いつでも転職できる準備をしておくことで、安心感が全然違いますから。
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