新人だけど辞めて大丈夫、別に不利益を受けませんから。
そう話すのは今回の主役・新人で転職した新人PTのAさんです。
彼は1年目に仕事の人間関係(主にパワハラ)が原因で精神疾患になり、転職をして今は老健で元気に働いています。
1年目で根を上げるなんてぼくには考えられませんでしたが、結局は職場の環境に耐えきれず仕事に行けなくなってしまいました。
過酷な毎日の勉強と先輩たちからの過剰な教育でついに仕事に行けなくなってしまったAさんですが、理学療法士という仕事は好きだったため転職の道を選びました。
新人が転職するなんて根性なしと思われるかと思いきや、意外にもすんなりと歓迎され今では生き生きと働けている様子。
3年勤めなければ1人前になれない!という時代は終わりました。
合わない職場でダラダラ、イヤイヤ過ごすより、自分に合った職場で生き生きと過ごすほうが良いに決まっています。
そんな強烈な実体験をした話を伺う機会を得ましたので、参考に読んでください。
▽辞めたいな・・・と思ったら▽
新人理学療法士が人間関係で悩んで仕事辞めた体験談
理学療法士として働き、希望に満ち溢れていた1年目。
しかし、そこに大きな落とし穴が待っていました。
実習が一番つらい?
いやいや、PT1年目のほうが辛いです。
理学療法士としての存在感を高める為に新人教育に力を入れる指導者はとてもいいと思います。
しかし、力の入れ方を間違えると私のようなPTを生み出してしまいます。
ウキウキの入職から絶望を感じるまでの僅か6か月の話です。
是非参考にし、今同じ境遇のあなたに届きますように。
▼辞めたいと思っているあなたへの解決策がこちら▼
理学療法士を辞めたいと思った…その理由
1年目の理学療法士(PT)に迫るパワハラ
理学療法士になれば、先輩PTから色々な事を教わり、患者さんと親身になって治療のお手伝いをすることができる。
そう思っていました。
私の就職した職場は、関東圏にある比較的大きな病院です。
私の大学からその職場に就職したのは私が初めてで、あまりその職場の情報がありませんでした。
同期は8人。
全員に新人指導者が付き、指導してくれるシステムでした。
大きな病院ということで患者さんの数も凄いです。
そして、様々な疾患の患者さんが居ます。
当然、学校で養った知識だけでは対応しきれず、来る日も来る日も見学と勉強をしていました。
理学療法士になって1年目は免許が来るまで単位が取れませんので、私も例にもれず4月20日くらいまではずっと見学の日々でした。
そして、免許が届いたある日、指導者からこのような言葉を頂きました。
ROM測定くらいできるよね?それができなきゃ患者なんか触らせられないよ
実習を通ってきた私でしたが、ROM測定が完璧かと言われると、自信を持って『はい!できます!』とは言えないタイプでした。
新人ですから当然だと思います。
しかし、その指導者は違いました。
業務終了後に新人を全員集め、ROM測定を目の前でさせ、合否判定をしていったのです。
こんなに緊張したのは久しぶりでしたね
当然、全員がその指導者の求める水準に達しておらず、業務終了後に居残りで1時間以上ROM測定の練習をさせられました。
当然残業代は出ません。
正直、この時間はなんの意味があるんだ?と思いました。
しかし、私たちも患者をさわれないと困ります。
一生懸命ROM測定の練習をしました。
休みの日も練習し、全員が合格したのは免許が届いて5日後の事でした。
それからというものの、毎日のように新人に新しい知識を求めてきます。
二言目には
それくらい知らないとPTとして働けないでしょ
と言われます。
新人は休日も返上し、勉強したり、その指導者からレポートの提出を促され夜遅くまで作成したりもしました。
ここまでくるとパワハラですね。
でも新人なんだから勉強は当たり前。
そういわれるとそれまでなんですが、勉強って自分から進んでやるものであり、やらされるのとはちょっと違うんじゃ…?
この時が最もきつかった…と、言えればよかったんですけど、まだ序の口。
さらに追い打ちをかけられてしまいます。
1年目の理学療法士に与えられる膨大な課題とサービス残業
指導者からは毎日のように課題をだされ、さながらデイリーノートを毎日書いている、また実習に来ているような錯覚に陥ります。
休みの日も病院に呼び出され、リハ室で勉強会を行ったりしました。
新人時代に休日にぶらぶら散歩したり、飲みに行ったりした記憶はありません。
ただただインプットの連続。
友人からの遊びの誘いも断っている内に、徐々に誘われなくなってきます。
『あいつは忙しいから誘っても無理だろ。』と言われており、仲の良かった友人たちが私を除いた全員で旅行に行っているSNSを見てすごく虚しくなりました。
私はなにをしているんだろう…
そういう思いが出始めます。
6月に入ると担当も持ち始め、日々のインプットに加えて「症例発表」の準備も増え、目も回る忙しさに…。
- 日々の業務
- 毎日の報告書(デイリーノート)
- 症例レポート
- レジュメの作成
- 毎日の勉強
自分の時間なんてあるはずがありません。
仕事も効率よく終わらせることができず、このころからサービス残業も増え始めました。
遅い時は21時近くになってましたね。
でも、新人はみんな残っていますから、一人だけ帰るなんてできる雰囲気ではありませんでした。
新人なのに業務量・課題量が多すぎる
6月に入ると患者さんを触る回数もかなり増えてきたので、症例検討会というものが開かれました。
新人が毎日のように交代で症例報告を行い、先輩からの有難いアドバイスを受けるのです。
毎日の業務に加え
- 日々の勉強
- デイリーノート
- 症例検討のレジュメ作成
が合わさり本当に心休まる暇はありませんでした。
- 朝は早く来て掃除と今日の患者さんの疾患の勉強
- 昼休みはさっさと食事を済まして午後の患者さんの勉強
- 帰りは指導者からのフィードバック
- 夜はデイリーノートとレジュメ作成
このような日々が1か月続く内に、徐々に病院に行くのが嫌になってきます。
朝の通勤で、全く別方向の電車にのって逃げてしまおうかと考えたり、教科書を読んでいても文字が文字として認識できなかったり(ひらがなが読めなくなる)軽いうつ病のようになっていました。
理学療法士を辞めたい…入職して3か月目で退職へ
1年目だけど退職を決めた理由
6月の後半から、徐々に生活動作ものろくなり、不審に思った親の勧めで精神科を受診しました。
親は偉大です。
抗うつ剤を頂き、うつろな感じは無くなりましたが職場に行きたくないという思いは変わりません。
何より、仕事をしたくないというより指導者と顔を合わせたくない。
指導者のことを思い出しただけで嘔吐する。
けっこう追い詰められていましたね
ちなみにこの時、すでに同期は1人辞めています。
その辞めた人の事を『根性なし』『PTに向いていない』『患者の為にならない』などと言われ、私もそう思われているのではないかと内心不安でした。
とはいえ、病院に行くのが本当に嫌になり、ある日体が本当に動かなくなり職場にはいけなくなってしまいました。
仕事を正式に退職へ。円満退職なんてありえない!
8月、もう病院に行けないと悟った私はそのまま退職の道を選びました。
最後にはもうリハ室にもいかず、指導者とはなるべく顔を合わせないようにしました。
挨拶をしたらまた自分が倒れてしまいそうで…
円満退職できる人も居るでしょうが、自分にそんなキャパシティはありませんでした。
すぐにでもここから出たい。
そんな一心。
実際、病院を辞めた瞬間から体の重さは嘘のようになくなり、すがすがしい気持ちになったのをよく覚えています。
しかし、せっかく理学療法士の資格も取ったし、理学療法士の仕事自体はそこまで嫌いではない。
嫌いなのはあの職場の指導者だ。
そう思い、1年目ながらも転職を決意しました。
▽実際に使った転職サイト▽
1年目の理学療法士でも転職は出来る!
なんとか退職し、転職を考えますが超絶な人間不信になっている私。
正直、就職できるか不安でした。
- また同じような職場に入ったらどうしよう?
- 何社も断られたらどうしよう?
- 1年目で転職なんて根性が無いなんて思われたらどうしよう?
いろいろな考えが頭をよぎります。
自分ではどうしたらいいかわからない…だから転職のプロから助けてもらうことにしました。
PTの転職サイトは本当にたくさんありましたが、そのなかから、PT・OT・ST WORKERを選びました。
業界の実績もありますし、検索ですぐ出てきたことがきっかけです。
PT・OT・ST WORKERに登録し、スタッフ(キャリアパートナー)が希望に合った職場を見つけ、紹介してくれます。
私の希望は『精神的に安心して働ける職場』
もちろんキャリアパートナーには今までの体験もお話し、理解してもらいました。
人間関係や上司との関係で辛い思いをしたくないとというのが第一で、給料は安くていいから安心して働きたいというのが唯一の希望でした。
そう言われて、キャリアパートナーの人も困ったでしょうね(笑)
しかし、そんな無理難題にもしっかりと答え、まさにその通りの職場を見つけて来てくれました。
そして、実際に現場を見れるように見学できる日をセッティングしてくれるなどの配慮もしていただけたので非常に安心して転職活動が進められました。
1年目でも気にしない!転職で新たな道が開ける
転職先の候補を決めると、PTOTSTワーカーのキャリアパートナーが日取りなどのセッティングをしてくれるので、私がやったことと言えば見学と職務経歴書の作成くらい。
面接対策や、職務経歴書の書き方も教わり、無事に老人保健施設に再就職できました。
なぜ老健かって?
私の希望は病院だったのですが、もしかしたら老健のほうが合っているかもしれないというアドバイスを頂き、老健の見学に行き、そこで決めました。
老健は病院と違い、なんとなく時間がゆっくり流れていることと、じっくりと利用者さんと関われている事が大きなポイントでした。
これは、転職サイトを利用していなければ気づかない盲点で、一人で転職したら絶対にまた病院に行っていたと思います。
そして、病院の荒波に揉まれ、もしかしたらまた退職に…
考えたくもないですね。
そして、今現在、老健で働いて数年が立ちますが、本当に生き生きと働けているような気分です。
毎日楽しく老健で働かせて頂き、お花見や遠足(近場ですが)の企画担当もさせて頂き、理学療法士以外の仕事の楽しさも分かってきました。
給料も前の病院より上がっているので、不満な点は食堂のご飯の量が少ない、といったことくらいでしょうか(笑)
理学療法士を辞めたいと思ったことありますか?
理学療法士を辞めたいと思う理由は多々あると思います。
仕事内容が合わなかったり、人間関係が合わなかったり、収入に不満があったり。
入社初日で辞めたいと思った理学療法士もいるとおもいます。
でも今思う事は、この業界は転職回数が多い人がたくさんいるのであまり気にしなくていいということ。
リハの求人は思ったより多くあります。
地域によるとは思いますが、転職サイトを利用してアドバイザーに動いてもらうと希望(働き方・給与面)に合った転職先が見つかりますよ!
ちなみに、日本理学療法士協会が実施した調査(理学療法白書2010)をみると約1万人の調査にて転職経験があると回答した理学療法士は42%です。
転職は不安もあるかもしれませんが、職場環境を変えるよりずっと簡単ですよ。
1年目の理学療法士でも転職してOK!新人こそ転職しやすい!
一時期、私は理学療法士という仕事に絶望しました。
あれだけ勉強していかなければ一人前になれないのか・・・と。
でもそれは違いました。
職場によって働き方や学び方があったのです。
そして、PTひとりひとりに合った職場もあるのです。
ぼくにとって、それが老健でした。
そのことに気づかせて頂けたPT・OT・ST WORKERのスタッフさんには非常に感謝していますし、とても頼りになりました。
理学療法士の求人はとても多くあります。
その中で、自分に合った職場はほんの一握りだと思うのです。
嫌な思いをしながら働く必要はないと思いますし、嫌なら転職もありです。
理学療法士は非常に転職しやすい職業なので、新人でも全く問題ありません。
辞めたいと思ったら、その職場に固執することなく、もっと自由に動いていいんです!
1年目だけど転職に悩んでいる人にアドバイスをお願いします
とりあえず3年勤めろ!と、よく言われますが、1年目で転職しても全く問題ありませんでした。
もしも3年は頑張る!
と心に決めている人がいても、とりあえず今は転職サイトに登録しておいても良いと思います。
いつでも転職できるとなれば、心の余裕も出てきます。
転職サイトには登録だけでもしておいても損はないですし、実際に登録して求人を眺めるだけでも他の病院の状況が分かるので非常にためになります。
(何度も求人を出してる病院は人間関係が怪しい…とか。)
もしも今の職場に絶望!とまではいかなくても、違和感を感じていたら行動してみてください。
私のように、仕事が辛くて行きたくない!と思う人が今後減っていくことを願っています。
▽1分で無料登録!▽
その他、おすすめの転職サイトを知りたいと思ったらこちらの記事をご参照ください。