35歳|男性
【転職回数】1回 【転職時期2016年9月】
年収は下がったけど全く問題になりません。
そう話してくれたのは私の同僚であり、先輩でもある彼。
なんと前の職場より年収を100万円も下げて当院に転職してきたそうです。
転職で年収を下げてまで手に入れたかったもの。
それは「時間」
彼にとって時間はお金よりも重要で大切なモノだったそうなので、ここに紹介します。
時間を手に入れたことで
- 家族団らん
- 子どもとの時間
- 休日のコミュニケーション
- 実親の介護対策
を手に入れることができたそう。
20歳代の方にはわからないかもしれませんが、もう少し年齢を重ねるとお金より大切な物も出てきます。
そしてそれは待っていても改善されず、自分で今すぐ行動しなければならない事なんです。
▽定時退社・年間休日120日以上▽
35歳・理学療法士の転職実体験談
私の勤務先は都内の整形外科クリニックでした。
新人から11年働き、十分なお給料(年収600万円)をもらっていました。
そんな私が「年収を下げて」まで転職した実体験をお話します。
【転職前の給与と仕事時間】
- 年収:600万円
- 休日:月8日
- 勤務時間:8:30~19:00(休憩150分)
- 残業:毎日30分程度
- 通勤時間:片道50分
勤務時間自体は8時間と普通なのですが、休憩が長く拘束時間が10時間半とかなり長い職場でした。
また通勤時間もかなりかかっていました。(往復2時間)
整形外科クリニックでは良くある勤務形態です。
休憩を長く取り、拘束時間を長くすることで仕事終わりのサラリーマンの治療も請け負うんです。
ちなみに、社会人の通勤時間の平均は45分なので、彼の場合は少し遠いですね。
自分の通勤時間は平均に比べてどう?という疑問がある方はこちらの記事をどうぞ。
私が転職に踏み切った理由は、新しい家族が生まれることで当時の働き方に疑問を持ったのがきっかけです。
お金だけでは得られないものがあると考え、今の職場(年収500万円)に転職しました。
結果的に今もお金にも特に困っていませんし、『時間』と『家族』というお金では得られないものを得ているので非常に有意義な毎日を過ごしています。
転職を考えている皆さんに1つ知っておいて頂きたいのは、お金だけで転職を考えていいんですか?という事。
年収が高くても休みが少なくて遠い!整形外科クリニックでの仕事状況
私が以前勤めていたのは都内の神奈川県寄りの街、大森という所でした。
ここの整形外科クリニックで新人の頃から10年以上勤め、管理職にもなりました。
当時、理学療法士は高給取りであり、理学療法士のアルバイトも時給5000円という時代でしたから、新人の私もそれなりのお給料は頂いていました。
そのまま昇給しつつ10年以上働いたので、年収600万円というのは働き始めた時代が良かったこと、経営が順調だったこと、そして、運がよかっただけかもしれません。
今から理学療法士として働き、年収600万円を稼ぐというのはほぼ不可能だと思います。
整形外科クリニックですから、会社帰りの患者さんも受け入れるため診療時間は長いです。
私の病院の勤務時間は
- 8:30~19:00(受け入れ終了18:30)
- 休憩150分
であり、実に10時間30分も職場に拘束されているんです。
しかも毎日21~22単位取得し、週108単位のフル回転。
かなり忙しいのですが、年収を考えれば仕事自体は別に大変ではありませんでした。
しかし家族の事を思うと徐々にその忙しさと仕事に取られる時間が多すぎることが負担に感じるようになってきてしまったんです。
年収は高いけど…。クリニックの不満は「業務時間の長さ」
私は1日21~22単位の仕事をしていましたので、仕事は朝から晩までパンパンです。
最後の患者さんを受け入れるのが18:30で、そこから物理療法と1単位(20分)の介入をしなければならないので、最後の患者さんが帰るのは19時を過ぎます。
私たちスタッフはそこから
- 洗濯物干し
- ベッドの清掃
- カルテ記入(当時は手書き)
をするので、最後の患者さんが帰ってから我々の業務が終了するまで1時間近くかかっていました。
退社をするのは20時過ぎです。
つまり業務時間は10時間30分ですが、実際には12時間近くも職場にいることになります。
1日の半分ですからね、これはキツイですよ。
職場が遠すぎで通勤時間がかかる!それもかなりのストレスに
当時、私は神奈川県鎌倉市に住んでいました。
鎌倉から大森まで通っていたのですが、鎌倉駅から大森駅の通勤時間は約50分です。
【yahoo地図】
駅までの徒歩の時間を合わせると大体片道70分くらいでしょうか。
20時に仕事が終わり、家に着くのは大体22時近くになっていましたが、年収も良いので苦痛に思いながらもずっと通っていました。
途中、引っ越しもして少し近くなりましたが、やはり家に着くのは21時を過ぎていたと思います。
整形外科は休みも少ない!年間休日102日では足りない!
私の職場は週休2日制ですので土曜出勤も2週間に1回あります。
▽関連記事▽
完全週休2日制じゃ足りない!なんとか週休3日以上にして幸せになる方法>>>
しかも夏季休暇や年末年始休暇も少ない。
週休2日制で月8日の休みとなり年間休日96日です。
それに夏季3日、年末年始3日という休みがあるので年間休日102日でした。
お盆や年末年始に帰郷するのも一苦労で、有給休暇を組み合わせなければなりません。
そういった所もぼくが気になっていたポイントで、やっぱり公式な休暇はもっと欲しいと思いました。
年収が高くても休みが少ない・自分の時間がないことで将来の不安が出てきた
私は結婚しています。
いくら仕事とはいえ、朝7時前には家を出て、その日の21時近くまで帰ってこない生活は少々厳しいものでした。
14時間も家を空けているので、1日の半分以上も家に居ないという事ですからね。
妻は朝、お弁当を作ってくれて、夜は私が帰ってくるのを食事せず待っていました。
なぜ私が仕事をしているだけで、彼女にも大変な思いをさせなければならないのでしょう?
これが一つの疑問でした。
また、お金はあっても時間がないこの生活にも疑問を持つようになりました。
今の仕事の状況で子供ができたらどうする?
当然、夫婦ですから子供ができる可能性があります。
現にいま子供がいますが、転職する前に気づき、転職後に授かった子です。
転職前に子供が居たらどうでしょう?
赤ん坊はかなり大変です。
全ての世話を大人がやらなければなりませんから。
その負担を妻だけに背負わせていいのでしょうか?
子供が目覚める前に会社に行き、子供が寝てから帰ってくる生活を私と妻は受け入れられるでしょうか?
と、いうか、私自身が子育てに参加したい。
そう思いました。
これが転職を決めた最大の理由です。
今の状況で両親の介護が必要になったらどうする?
ある程度の年齢になると、両親の面倒を見るという思いが生まれてきます。
特に私は長男ですから、できれば近くに居てあげたいと思います。
現に、今の時代はキーパーソンの居ない患者さんが入院してきたりしています。
仕方のないことですが、私や妻の両親にそのような思いをさせたくないと思いました。
整形外科クリニックでは、ひっきりなしに患者が来るため何かあったらすぐに会社を出ることもできませんし、なにより実家まで遠すぎます。
そう考えたときに、果たしてこのままここで働き続けることは良い事なのか?という疑問が生まれてきました。
これが2つ目の理由です。
つまり私は年収より家族との時間や、自由に動ける時間が欲しいと思ったので、年収を下げてでも休みの多い職場に転職しようと決意しました。
35歳の理学療法士は年収を捨て、休みの多い職場に転職した
結果的に、私は転職を果たしました。
考えた末の結論でしたが、子供が生まれるという状況が私の背中を後押しし、このままではいけないと思い、慌てて転職活動をしました。
自分で転職活動をしたため、転職サイトは使わず自分でインターネットや転職本を見て探しました。
結果的に急いでいる割にかなり時間が掛かったり、面接日程を組んだりとかなり面倒な思いをしてしまったので自分ひとりで転職活動をしたことを今では後悔しています。
まだ仕事もしていたのでかなり時間い追われていましたね。
今では様々な転職サイトがあるので、登録したらもっとスムーズに転職できたかもしれないです。
転職で年収が下がった!どれくらいの変化があったのか?
転職した結果、年収は100万円も下がりましたが、休日は年間で18日も増え、帰る時間も20時から17:30になりました。
年収:600万円→500万円
休日:月8日→月10日
勤務時間:8:30~19:00(休憩150分)→8:30~17:30(休憩60分)
残業:毎日30分程度→なし
通勤時間:片道50分→片道徒歩10分
私が転職で重視したのはたった一つで『18時までに家に帰れる』ということでした。
自宅を実家の近くに移し(といっても車で30分程かかりますが)、職場も自宅の近く(徒歩圏内)にしました。
年収はかなり下がりましたが、もともと生活水準はそこまで高くなかったので、500万円でも十分やっていけています。
貯金はあまりできなくなりましたけどね。
妻は早起きしなくてもよくなり、私の帰りも早いので夕飯の片づけがすぐに終わって妻の時間も持てるようになったのが非常によかったですね。
さらに、転職をして家にいる時間が増えたことで子供と一緒にいる時間が増えました。
子供と遊ぶ時間もありますし、なにより通勤、夜遅くの帰宅というストレスが無くなる!
それがここまで素晴らしいものだったことを実感しています。
妻から年収についてとがめられることもなく、むしろ『早く帰ってくるし休みも多くてうれしい』といった声もかけてもらえます。
35歳の転職は年収以外にも休みや時間も重要視してください
今回、このような話をさせて頂いたのは、年収だけが転職の指標ではないという事を伝えたかったからです。
ただし、人によっては激務でも600万円もらえたほうがいい!という人も居るでしょう。
それはその人の考え方なので頭ごなしに否定するつもりはありませんが、年収を得るということは何かを捨てる覚悟が必要です。
私は時間を犠牲にして600万円をもらっていましたが、家族との時間を持つ価値が600万円を越えたというだけです。
人生の転機にもなりえる転職ですので、この機会に是非、しっかりと将来設計をしてみるのもいいかもしれませんよ。
ご清聴ありがとうございました。
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