理学療法士が就職する先で最も多いのが一般病院です。
一般病院は主に
- 急性期
- 回復期
- 維持期(療養)
に分けられます。
今回は、慢性期病院に新人さんが就職する際に知っておいてほしいことをピックアップしていきます。
参考|日本慢性期医療協会≫
何も知らずに入職したら慢性期病院で、思っていたようなリハビリが実施できなかった!というのはよく聞く話。
特に慢性期って人気ないですから…
入職前に知っておきたい!慢性期病院の3つの特徴
慢性期病院の特徴は、全身状態は安定しているけど自宅退院は考えられず長期入院をするということ。
つまり継続的なリハビリを必要とするけど、それは在宅復帰ではなく「身体機能の維持・向上」を目的とする場合が多いです。
また、退院したとしても自宅でなく、老人保健施設などに行く場合が多いのも特徴です。
特徴1:慢性期リハの患者の特徴
患者の疾患は、かなり偏りがあります。
骨折や脳卒中が原因でなく、その疾患と合わさって何らかの障害があり、それが問題となる場合が多いです。
例えば…
- 糖尿病
- 慢性腎不全
- 悪性腫瘍
- 心疾患
- 廃用症候群
- 認知症
など。
特に多いのが認知症や高次脳機能障害じゃないですかね。
骨折や片麻痺が良くなったとしても、認知症により安全な生活ができない場合、長期療養に移行する場合がとてもおおいですね。
特徴2:機能改善より機能維持に重きを置く
慢性期病院だからと言って、機能回復が望めない訳ではありません。
どんどん良くなっていく患者さんもいるんですが、多くは機能維持です。
簡単に言うと廃用症候群を予防するという事ですね。
つまり、患者の変化を「起こさせない」リハビリをする。
これ、人によってはツマラナイと感じる大きな原因になりますね。
特徴3:日常生活の向上より生活の質の向上を考える
生活の質(quality of life, QOL)とはある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念です。
慢性期・維持期だから機能回復しない患者だっています。
それは仕方のないこと。
でもだからといて、患者が「人間らしい生活を営めないのか?」といったらそうではありません。
今ある能力や機能(残存機能)を駆使して、どれだけ人間らしい生活を提供できるか?
それが課題になるので、ある意味急性期や回復期よりも難しく、新人さんには大変かもしれません。
慢性期のリハビリの基本方針
慢性期リハの特徴を3つ挙げました。
では、リハビリはどうすればいいのかを簡単に説明ていきます。
慢性期リハの基本は車いすに座らせる
慢性期リハで最も重要なのは「離床」です。
離床することで脳血流量も上がりますし、褥瘡の予防にもなります。
また、病棟での食事もベッド上でなく車いす上で取れるようになることから、QOLの向上にもつながります。
離床できれば、寝たきりの状態より家に帰れる可能性も高くなりますよね。
慢性期のリハビリの主な目的は離床であると言えます。
慢性期リハビリテーションは人気が無い
慢性期リハビリの主な目的は「身体機能の維持」です。
患者の身体的変化は望めず、場合によっては低下してしまう事の方が多いかもしれません。
寝たきりの患者も多いでしょう。
毎日のリハビリで変化のない患者をベッドサイドでリハビリしていると「なんでこんな事」してるんだろう?と考えてしまうことも。
必要な仕事だとはわかっていますが、やはり急性期や回復期に比べると「やりがい」という部分ではなかなかモチベーションが保てません。
結果的に、辞めたいと思う人も多く人気が無いのが現状です。
慢性期は、動ける患者さんが少ないため、モチベーションの維持が大変。
私も、新卒の際に慢性期病院の見学をしたのですが、その病棟の患者さんたちを拝見し、入職を断念しました。
だから慢性期病院に入職するのは、あまりお勧めは出来ません。
急性期や回復期のほうが、理学療法士として働く喜びがわいてくるのではないでしょうか。
すでに慢性期で働いており、もっと刺激が欲しいと考えているのであれば転職を考えてみるのも一つの手です。
とはいえ、慢性期病院で働くと、急性期や回復期ではなかなか見れない疾患が多いのも事実です。
本来であれば大学病院レベルでなければなかなか見れない疾患を見ることが出来るので、そういったメリットがあるのもお忘れなく。
そういった意味では、慢性期の経験は他のどの病院よりも濃いものとなるので将来を見据えるのであればおすすめできます。
私は実際にPTOT人材バンクを実際に使ってみて、どんな求人があるのか、そして使い勝手はどうだったのかを体験してきました。
詳しい記事はこちらになりますので、転職をお考えの方はぜひ読んでみてください。
その他、おすすめの転職サイトを知りたいと思ったらこちらの記事をご参照ください。