
親と同じくらいの患者さんと信頼関係を得るためにはどうしたらいいの?
健常者と患者さんとのコミュニケーションの違いってなんなの?
【この記事で分かること】
- 患者の心理的な特徴を知る
- よい問診の方法
信頼関係
患者さんに接するとき、その対応の仕方で安心してくれたり、逆に不信感を抱いたりしてしまう場合があります。
痛みや悩みの大部分は心理的な要因が多いということを忘れてはいけません。
患者さんに
- この先生は信頼できる
- きっと治してくれる
と思っていただけるような接し方をしていく必要があります。
あなたは、そんな接し方をできていますか?
我々理学療法士は、どのような態度で患者さんに向き合えばよいのか、少し考えて見ましょう。
患者さんは不安をたくさん抱えている
患者さんは好きで病院に通ったり、入院をしているわけではありません。
なんらかの不幸から、病気になったり怪我をしています。
突発的な出来事や不慮の事故があったわけです。
その為、いままでの日常生活から逸脱し、今まで出来ていたことができなくなるなどの心理的ストレスを抱えている場合が多いです。
理学療法士の仕事は患者さんの治療ですが、この心理的なケアを怠ってはいくらリハビリをすすめてもよくなりません。
患者さんの不安を理解し、安心感のある介入を心がけましょう。

信頼関係を得る方法:2つの事例から接し方を考える
Aさんは患者さんに介入する前に問診に行きました
Aさんは、患者さんのところに向かい、お部屋でお話を伺いました。
患者さんの正面に座り、下から見上げるように話をします。

いま困っていることはありませんか?
患者さんの訴え、困っていることを聞き、それに対して一つずつ頷き、患者の訴えを遮ることなく聞き入ります。
そして、一般的な治療法を実践したのですが、みるみる症状が回復(この場合疼痛の軽減)していきました。
Bさんは患者さんを治療しながら問診をしました
Bさんはリハ室でお話を聞きました。
効率の良い情報収集をするのであれば、評価や治療をしながら問診した方がいいからです。
下肢ストレッチをしながら患者さんの悩みや不安を聞きます。時間にするとかなり長い時間の問診になったと思います。
AさんとBさんの違いは分かりますか?
どちらかというとBさんは、Aさんより入念にお話を聞いており、治療も細かいところまでプランニングしていました。
しかし、Aさんのほうが治療効果は高かったのです。
信頼関係を得る方法は長く話を聞くことではない
問診は軽視されがちですが、患者さんの訴えを聞くといううえで非常に重要なプログラムとなります。
AさんとBさんの違いは『話を聞く姿勢』にありました。
患者さんは話を聞いてもらいたがっています。
その話にしっかりと耳を傾けることができてこそ、患者さんに安心感を与え、信頼関係を得られるものと考えられます。
話を聞くときの4つの重要なポイント
- 話を聞く姿勢を取る
- 目を見て下から見上げるように
- 話を聞きながら頷く
- 患者さんの言葉を遮らない
この4つのポイントを押さえて、コミュニケーションをとっていきましょう。
話を聞く姿勢をとる
ながら作業で話しを聞いてはいけません。
時間がない、忙しい、というのは分かります。
しかし、患者さんの話を聞くときは、その全ての作業をストップさせたほうが患者さんは安心するでしょう。
手を動かしながらだと

本当に聞いてくれてるのかな?
と不安になります。
そのような不安を取り除くためにあなたがいるのに、逆に不安を与えてはいけませんね。
ですので、問診の際はメモを取るのは控えます。
覚えて後でメモにするか、一度患者さんに許可をとってからメモをとりましょう
目を見て下から見上げるように
話を聞くときは相手と同等の目線がよいとされますが、患者さんに対してはひとつ下の位置から見上げるように患者さんを見るとよいとされています。
上から見下ろすと、威圧的になりますし、目線が同じ高さだと面談のようになって患者さんの言いたいことを全て吐き出させるのは難しいです。
あくまで、話していただいているという気持ちで、患者さんの前にしゃがみ、目線を合わせながら聞きましょう。
話を聞きながら頷く
頷きは、話を聞いていますよ、というアクションです。
何もしないより、相手が頷いてくれたほうが聞いてもらっているという安心感に繋がります。
ただし、頷きの回数が多いと、適当に流されているような印象を受けますので、ゆっくりと言葉の切れ端に合わせて頷くのがよいです。
どのタイミングがよいかというと、『句読点』の位置がよいと思います。
『、とか。』のところです。
患者さんの言葉を遮らない
患者さんが話しているときに、つい口を挟みたくなってしまいますが、それはNGです。
特に高齢者は、動作がゆっくりなことが多く、待ちきれない気持ちもわかります。
でも患者さんが全てを話し終わるまで、じっくりと待つ姿勢を保っていきましょう。

『そうですか』『なるほど』などの相槌はOKです
さいごに:リハビリを拒否する患者さんにもおすすめ
- 話を聞く姿勢を取る
- 目を見て下から見上げるように
- 話を聞きながら頷く
- 患者さんの言葉を遮らない
このような話の聞き方は信頼関係を高めるのに効果的です。
拒否があったり、リハビリに積極的でない患者さんに対して実践してみるのもいいかもしれませんね。
PTは話し方が上手な人より、聞き方が上手のほうがいい結果を残せますよ!