50歳代に入り、そろそろ定年が見えてきます。
理学療法士として年収が最高になるのもこの年代ですが、金銭的にシビアになるのもこの時期です。
いろいろと考えることも多い50代ですが、理学療法士が50代になるとどのぐらい年収を稼ぐことができるのか、調べてきました。
気になる周りの人の平均額や手取り額、ボーナスの平均額、昇給額をぜひ参考にしてみてください。
参考
理学療法士の平均年収は409万円
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の平均年収は男性412万円、女性396万円で、平均すると409万円になるそうです。
日本人の平均年収は431万円なので、理学療法士の平均年収は若干低いです。
しかし、50代の理学療法士になると、普通は日本人の平均年収は余裕で超えてくるはずです。
50代で超えてない場合、ちょっと危機感を持ちたいですね。
- 平均年収:409万600円
- 男性の平均年収:412万4600円
- 女性の平均年収:396万6700円
- 手当含めた月給平均:約28万円
50代の理学療法士の年収はどれくらい?
50代の理学療法士の平均年収は537万円だそうです。
理学療法士として役職もついたり、昇給もありますが50代になると年収はほぼ頭打ちになります。
ちなみに、一般的な会社員の50代の平均年収は613万円だそうです。
かなり差は開いてしまいましたね。
さらに細分化すると以下のようになります。
- 50〜54歳:514万6,000円
- 55〜59歳:570万1,000円
55〜59歳の年収が最大値で、これ以降(60歳以降)になると年収は460万円程度まで落ちるようです。
理学療法士の給与の要素
理学療法士の給与は以下の要素で決まります。
- 役職の有無
- 病院/クリニック/訪問
- 規模は大きい/小さい
- 勤務地は都会/田舎
理学療法士としての経験や能力も大いに加味されてきます。
役職の有無による給与の違い
50代になると役職を持つ人が増えてきます。
- 主任:約2万円
- 係長:約4万円
- 課長:約6万円
役職に就けば年収はグッと上がります。
また、他院に引き抜かれたり、管理職をする前提で 転職をする人もいます。
管理職候補など、条件のよい転職先を見つけられればかなりの給料を得ることもできます。
今の給料と相場をチェックして、管理職や所属長を目指して転職も検討しましょう。
病院/クリニック/訪問による給与の違い
理学療法士が働く先としていくつかの施設があります。
それにより給与が若干異なります。
また、賞与額も異なりますので、年収ベースでも検討した方が良いと思います。
- 一般病院:25〜31万円/410〜450万円
- クリニック:27万円/350〜480万円
- デイサービス:29万円/420〜450万円
- 訪問リハビリ:24〜35万円/450〜600万円
PT・OT・ST WORKERで検索した独自調べ
規模は大きい/小さいによる給与の違い
施設の規模が大きいほど給与は高い傾向にあります。
規模=勤務している人の多さと考えていただければよろしいです。
理学療法士以外のスタッフの人数が多ければ多いほど規模が大きいと言えます。
勤務地は都会/田舎による給与の違い
勤務地が都会の方が給与が高い傾向にあります。
- 東京都:447万7200円
- 神奈川県:438万9000円
- 埼玉県:430万1600円
- 奈良県:427万4000円
- 千葉県:424万8000円
【参考|PT・OT・ST WORKER】
- 秋田県:337万5500円
- 長崎県:337万8000円
- 島根県:344万2000円
- 宮崎県:356万円
- 熊本県:359万9000円
【参考|PT・OT・ST WORKER】
50代理学療法士の手取りはいくら?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、55〜59歳の理学療法士の総支給額は38万8,000円程度です。
注意していただきたいのが、これは総支給額なので手取り額はもう少し少なくなるということです。
手取り額について
手取り額は、総支給額の75%程度と考えてください。
健康保険や厚生年金、住民税の控除はもちろん、収入が増えたことによる所得税も増えるので、給与は増えてもとられるお金も増える傾向にあります。
- 総支給額:38万8,000円
- 控除額:9万7,000円
- 手取り額:29万1,000円
50代の手取り額は29万1,000円程度が平均的です。
ボーナスについて
ボーナスは査定期間が約半年あり、その期間にどれだけ会社に貢献したか?で支払額が決まります。
一般的には基本給×○ヶ月分として計算されます。
この場合、おそらく夏と冬に基本給の1ヶ月分のボーナスが支払われます。
つまりボーナスを多くもらいたい場合は基本給が高い職場または実績月数が多い職場に入職する必要があります。
手当について
50代になると、いろいろな手当がつきます。
- 役職手当
- 資格手当
手当は認定や専門、呼吸療法認定士 、福祉住環境コーディネーター1級で5000円/月前後、手当以外には取得時の費用支援やボーナスや職位アップの際の反映が別にあったりします。
特に主任や係長などの役職に就くことで手当がでます。
この手当はボーナスにも反映されるので年収がグッと上がる要因になります。
- 主任:約2万円
- 係長:約4万円
- 課長:約6万円
生涯年収について
理学療法士の生涯年収は男性では約1億7758万円、女性では1億6778万円だそうです。
50歳から定年の60歳までの10年間で、最も稼ぐことができます。
年収400万円なら10年で4000万円、年収500万円なら10年で5,000万円、年収600万円なら10年で6,000万円です。
老後を考えると、ここで預貯金を増やしておきたいところですね。
- 男性:1億7758万円
- 女性:1億6778万円
給与明細の見方について
給料を把握するためのものが、給与明細です。
その見方を知っておいた方がいいので解説します。
- 総支給額:基本給・残業・手当など全て含めた金額
- 差し引き支給額:年金や保険などの控除額を引いた手取り額(銀行に振り込まれる金額)
- 基本給:会社から支払われる給与のベースとなる金額、残業や賞与のベースにもなる
- 通勤手当:通勤する際に発生する交通費に対する手当、課税されない
- 時間外手当:所定の労働時間を超え働いた場合に支払われる手当、時給の125%で計算
- 家族手当:配偶者や子供がいる家庭を対象に会社が一定額支給する手当
- 資格手当:従業員が資格を取得した場合に支払われる手当
定年について
理学療法士として働く施設にもよりますが、通常定年のルールが設けられています。
だいたい60~65歳を定年としているところが多いです。
退職金について
退職金は理学療法士として働く施設にもよりますが、支払いのルールが設けられています。
退職金の計算式は以下のもので計算できます。
- 基本給×勤続年数×給付率
- 勤続月数×5千円×給付率
※給付率は定年までいれば100%、自己退社では50%になります。
病院自体が退職金共済等に加入している場合もありますが、この計算式に当てはめると以下の通り。
【ケース】
基本給25万円 勤続40年(480か月)
- 基本給25万円×勤続年数40年×給付率100%=1000万円
- 勤続月数480か月×5000円×給付率100%=240万円
あなたの職場が①を採用していれば結構もらえますが、②を採用していたら悲惨ですよね。
どちらに則って計算されるかは就業規則に記載されていますので確認してみてください。
【参考:独立行政法人 勤労者退職金共済機構】
50代理学療法士の給料まとめ
- 平均年収537万円
- 平均月収38万8,000円
- 給与は役職や地域で差がある
- 手当がつく場合がある
50代理学療法士の年収は平均を上回り、生涯で最高の数値を叩き出します。
しかし勤務先や働き方によっては、平均より下の場合もあるでしょう。
50代になると、老後の心配もし始めなければなりません。
老後は2800万円の貯蓄が必要と言われているため、20代の頃のように行かなくなることも。
50代は老後を見据えた働き方をしておいた方がいいと思います。
50代でもキャリアアップを目指せる
管理職などに就くことでさらなるキャリアアップを目指せます。
管理職を目指す
管理職になれば役職手当がつきます。
- 主任:約2万円
- 係長:約4万円
- 課長:約6万円
これはボーナスにも反映されるので、チャンスがあれば目指してみてください。
年収ベースで24〜72万円もアップします。
企業によっては管理職試験や登用制度があるので、ぜひ調べてみてください。
転職する
50代の理学療法士にとって、転職はなかなか難しいもの。
しかし、あなたのスキルを欲しがる職場も、実は結構あったりします。
自分のスキルや経験を活かせる職場を探し、自分を求めている職場に転職することで年収アップはもちろん、長く働くことができます。
そこで重要なのが、自分に合った求人を探せるかどうか?です。
1人で求人票を眺めてても、なかなか自分を欲しがっているかどうかはわかりません。
だから転職サイトの活用をお勧めしています。
レバウェルリハビリやPT・OT・ST WORKERには、数多くの求人があり、転職サイトに登録すれば担当があなたに合った求人を探してきてくれます。
自分を売り込みたい50代の転職には欠かせない存在です。