
職場を辞める時に有給って全部消化できるの?
20日以上有休が残ってるんだけど、全部使えるか不安だな…。
【この記事で分かること】
- 退職するときに残っている有休を全部使える可能性は低い!
- 日ごろから有休を使えない職場はヤバい
いざ転職をしようとしたときに、いままで取得した有給は使えるのでしょうか?
1日や2日ならともかく、10日あるいは20日以上有給が残っていた場合はどうなるのか、気になりませんか?
どうせなら使い切ってから退職したいのですが、いろいろな制約があるので確認したほうがいいですね。

基本的に20日もある有給は使いきれないと考えていいと思うよ!

えー!そうなんだ?
自分の有給を知ろう!理学療法士の有給休暇の日数と取得条件
理学療法士を始めとする会社員は正社員として半年以上働けば10日の有給休暇を得ることができます。
勤続年数が増えるほど、有給の日数も増えていき、6年半以上勤続することで20日間の有給を獲得できます。
(勤続年数:有給付与数)
- 半年:10日
- 1年半:11日
- 2年半:12日
- 3年半:14日
- 4年半:16日
- 5年半:18日
- 6年半:20日
- それ以上:20日
それが2年間有効なので、最大で40日間の有給を持つことができます。

そんなにもらえるんだ⁉

でも有休を全部使いきれる職場って限られてるんだよね。
有給をすべて消化できる職場は少ないのも事実。
ある職場では、スタッフが少ないゆえに有給の日数を制限し、余った有給は消えてしまうとのこと。何のための有給なんだか…。
2019年4月、有給取得義務化により年5日の有給取得が可能に!
2019年4月・有給休暇取得義務化が、働き方改革関連法の成立により実施されました。
それにより、2019年4月から10日以上の有給が付与される労働者は、その日から1年以内に5日は取得するように義務づけられることに。
そのため、有給が余る!使えない!という事態も少しだけ緩和されたように感じます。
関連記事:有給休暇の取得の義務化で何が変わるのか?



でも20日余る有給のたった5日だから焼け石に水とも言えます。


有給が使えない職場ってイヤよね…。
そこで、新たな疑問が生まれます。
理学療法士が辞める時に有給を全て消化することは可能なのか?
40日の有給があったら退職する1か月前からずっと有給消化として休むことはできるのか?


どうおもう?


え…?できるんじゃないのかな?


残念、正解は『たぶん無理』


えー!
答えを言うと、多くの職場で、それはNOであると断言できます。
たぶん20日や40日もの有休を最後に取らせてくれる職場はあまりないのではないでしょうか。


せいぜい2週間くらいだと思うよ。
余った有給は退職前の状況によって使えない場合がある
有給は『取るべきもの』であり、有給はその人の『権利』です
ですので、基本的に有給は消化できなければいけません。


でもその退職の仕方によっては消化できない場合があるんです。
- 急な退職である
- 一方的な理由で退職をする
- 有給が1ヶ月分以上残っている
このような場合はおそらく全ての有給休暇は取れないでしょう。
取れたとしても1週間、せいぜい2週間程度が限界ではないでしょうか。
理由として、有給は取ることは問題ないのですが、会社には『日付をずらす権利』があるから。


〇月〇日に有給を取らせてください!


その日はスタッフが少ないから出勤して下さい。
代わりにスタッフに余裕のある〇月〇日に有給を取ってください。
普通に考えると当たり前のことで、たとえば10人の職場で1日に7人が有給休暇届を出したらさすがに仕事が回りませんよね。
職場はその有給は取ってもらうのですが、日付を変えてもらい分散させる必要が出てきます。


有給はあくまで『権利』であって『行使』ではないんだよ。
有給休暇を取得する場合のデモケース
10日以上の有給が残っており、退職前にまとめて有給を取りたい
今回のケースでは、10日以上の有給があったと仮定します。
ケースが10日もの有給を連続して取ると、他のスタッフは10日以上ずっと1人欠員の状況で働かなければなりません。
その間、他のスタッフにしわ寄せが来ますし、あなた以外にも有給を取りたいスタッフもいるかもしれません。
ですので、その場合はおそらく病院からは


『現在働いているスタッフ』より『退職が決まっているあなた』が、日付をずらしてください。
というお願いをされるかもしれません。
そうしているうちに、退職日が近づき、全て有給を消化できないという場合も出てきます。
退職後も有休を継続するケースは次の職場との兼ね合いも考えて!
退職後に有給を使う場合もあるかもしれませんが、その場合は次の職場への入職時期に注意。
有給が30日余っていて、1/1に退職し、1/31まで有給で。
という場合もたまにあります。
この場合、退職後も有休が使えてラッキー!となるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
この場合、記録的には1/31まであなたはその職場の職員という扱いを受けますので、次の転職先には2/1以降でなければ入職できませんので、ご注意ください。
有給の取得の許可は所属長の判断に一任される
前項目でもお話したとおり、有給は取ってもいいのですが、迷惑のかかる取り方は避けるべきです。
有給はあくまで権利であり、行使できるものではありません。
現在の職場状況が優先されますので、所属長がNGを出せば、(任意の日に)取れないと思います。


退職を決めたのであれば、長い時間をかけてコツコツと取っていくことが重要になるんだよ。


最後にまとめて取ればいいや!って考えはダメってことね。
最後にまとめて取れるのはせいぜい4~5日程度と考えた方がいいでしょう。
あなたは退職する職場かもしれませんが、そこではまだ多くのスタッフが働いている、ということをお忘れなく。
多すぎる有給は使い切れない!捨てる覚悟が必要
有給は貯金ではありません。
退職までに10日も20日も残っているということは、いままで計画的に取らなかったあなたの責任です。
- 職場が取らせてくれなかった
- 忙しくてそれどころではなかった
と、いうのは通用しません。有給は計画的に取っていきましょう。


有休を使うのがもったいない!と言ってるスタッフもいるけど、有給は使わなきゃもったいないんだよ!


う…、ちょっと耳が痛いですね…。
有給は休んでいても給料が入ります。ということは有給1日が1万円以上の価値があるということ。
わざわざ1万円を捨てるのですか?
それは勿体ないですよね。
就業規則にも有給休暇の項目があると思いますので、そこに目を通してください。
退職前に有給が取れるか否かが載っているかもしれません。
まだ退職の予定がない人も、知識として仕入れておいた方がいいですよ。
有給が取得できない病院は極めてブラックに近い!
基本的に職員というのはギリギリで回すものではありません。
ある程度、余裕を持って回すものなので、1人や2人突発で休んだとしても、それで業務が成り立たないようでは話にならないのです。
ですので


今は人員が少ないから有給は取らないように
という病院があるとしたら、その病院の経営はすでに終わっています。


ぼくの昔の病院がまさにそうだったのですが、人員が不足して有給が取れないような職場は激務!
しかも生活の余裕を奪うので本当に辛いです。
結果、ぼくのように転職してしまう人が多いので、常に人員不足の悪循環に陥ります。
もしそのような職場で働いているのであれば、上司に相談して業務改善するか、最悪の場合退職の意思を伝えたほうがいいと思います。


ぼくは、上司に意見書を渡しても、改善の見込みがなかったので退職しました。
従業員の事をまるで考えていない職場で消耗するのは本当に人生の無駄だと思います。


これは考えさせられるね…。
理学療法士は転職してもぜんぜん問題ない職業なので、我慢せずに次の職場にむかってしまうのもアリです。



2019年4月から有休は年に5日取れるようになりましたが、本来であれば有給は使い切ることが普通です。
給料や福利厚生に目が行きがちですが、有給消化率というところにも注目して仕事を選んでいきましょう。
▼合わせて読みたい:自分の職場は大丈夫?定時で帰れないブラック職場の4つの特徴▼
https://hanasaka-pt.com/overtime-4point
さいごに:年間休日120日、有給消化率100%はふつう
今、ぼくが勤めている職場でも人員不足で休みが取りにくい状況が続いています。
しかし、それはスタッフが多すぎるのも災いし、毎日7人以上のスタッフが休んでいるにも関わらず、年間休日が125日もあるので有給休暇が追い付かない、というのが現状です。
- 休めない
のでなく
- 休む日が無い
というのが問題点です。ある意味贅沢と言えますが…
ぼくの有給消化率は80%くらいですが、もうすぐ16日以上の有給が手に入ります。
年間休日は120日+有給16日で136日になるので、時間にはかなり余裕があり自由な時間も多いです。


先月なんて30日の内、120時間(15日間)しか働いてないし。
余った有給は夏季休暇に充てて海外にでも行こうかな。


かなり優雅だね。うらやましい…
退職する直前に有給をドカッととるのはどの職場でも難しいので、日頃からこつこつと有休を使っていくことをおすすめします。
なぁに、いつか使うかも!と思った有給を使うことはありません。
もしどうしても残しておきたいのであれば、3日くらい残っていれば十分。
どんどん有給を使おう!会社員の特権ですから!


