この記事は2018年に3学会合同呼吸療法認定士に合格した同僚のスタッフが監修しています。
【「3学会合同呼吸療法認定士」認定制度】
吸入療法、酸素療法、呼吸理学療法及び人工呼吸などの呼吸療法は、今や日常の重要な治療手段のひとつとして広く普及が望まれています。
しかし、これら呼吸療法の実際に精通した医療要員の不足があげられ、このことが呼吸療法普及の大きな障害となっています。
「3学会合同呼吸療法認定士」認定制度はそれぞれの職種において呼吸療法を習熟し、呼吸管理を行う医療チームの構成要員を養成し、かつそのレベルの向上を図ることなどを目的としています。
【公益財団法人医療機器センター】
呼吸療法認定士の資格試験に必要な内容をまとめました。
呼吸療法認定士の試験範囲はかなり広く、テキストもメチャクチャ分厚いのですが、その中でも絶対に覚えておきたい項目をピックアップしました。
今回は『呼吸の計算式』について勉強していきます。
計算はみんな苦手で、見るのもイヤだ!と思うかもしれませんがポイントさえ押さえてしまえばそこまでボリュームはないので、ササッと暗記してしまいましょう。
▽解剖学/人工呼吸器/NPPVについてはこちらにまとめています▽
▽気体状態、鎮静レベルについてはこちらにまとめています▽
【呼吸療法認定士の勉強】動脈血酸素含量を計算する問題
【question】
SaO2:100%、PaO2:100mmHg、ヘモグロビン:10g/dLの時の動脈血酸素含量はいくらか?
このような問題に対する計算式は以下のようになります。
=(1.34×Hb×SaO2)+(PaO2×0.003)
=13.7mL/dL
※ ヘモグロビン1gあたりの酸素結合量は1.34mL
※ 溶存酸素の溶解度は0.003
動脈血酸素含量=結合酸素+溶存酸素という式を覚えておけば解ける問題です。
応用問題として、ヘモグロビン量やPao2の量が変わっても解けるようにしておくといいでしょう。
【呼吸療法認定士の勉強】A-aDO2を求める問題
【A-aDO2とは】
肺胞気動脈血酸素分圧較差 のこと。
低酸素血症の原因となる肺胞低換気、拡散障害、シャント、換気血流不均等を評価するのに有用
【question】
次の条件の場合のA-aDO2を計算せよ
1回換気量:500mL、換気回数:12回、FiO2:60%、pH:7.35、PaO2:75mmHg、PaCO2:50mmHg
A-aDO2=肺胞気酸素分圧—動脈血酸素分圧で求める事が出来ます。
A-aDO2=PAO2—PaO2
PAO2=FiO2×(760-47)—PaCO2/0.8
=(0.6×713)—(50÷0.8)
=427.8—62.5
=365.3
A-aDO2=365.3—75
=290.3
※ (760-47)は大気圧下での飽和水蒸気量を引いたもの
※ 呼吸商は0.8
【呼吸療法認定士の勉強】換気回数とPaCO2に関する問題
【question】
1回換気量400mL、換気回数10回の設定で人工呼吸管理中の患者がいて、PaO2の値が60mmHgであった。換気回数をいくらに変更すればPaCO2が40mmHgになるか
(400×10)×60=(400×X)×40
X=15回
分時換気量×PaCO2=変更後分時換気量×目標PaCO2の式を覚えておけば解ける問題。
【呼吸療法認定士の勉強】動肺・静肺コンプライアンスと気道抵抗の計算
【question】
1回換気量:500mL、ピーク圧:25cmH2O、プラト圧:15cmH2O、PEEP:5cmH2O、吸気流速:0.8L/secの場合、静肺コンプライアンス、動肺コンプライアンスはそれぞれいくらか、また気道抵抗はいくらか
以下の計算式に当てはめて考える。
静肺コンプライアンスの求め方
静肺コンプライアンス=1回換気量÷(プラト圧−PEEP)
=500÷(15-5)
=50mL/cmH2O
動肺コンプライアンスの求め方
動肺コンプライアンス=1回換気量÷(ピーク圧—PEEP)
=500÷(25-5)
=25mL/cmH2O
気道抵抗の求め方
気道抵抗=(ピーク圧—プラト圧)÷吸気流速
=(25-15)÷0.8
=12.5cmH2O/L/sec
【呼吸療法認定士の勉強】絶対に外せない!波形問題
波形をみて回答を選ぶ問題も絶対に外せません。
一度覚えてしまえば、試験直前に見直すだけでOK。
特に重要な図形は
- スパイロメーター
- フローボリューム曲線
しっかりと覚えておきましょう。
スパイロメーターの肺気量分画図
スパイロメトリーは呼吸機能検査の最も基本的な検査法で、X軸が時間、Y軸が肺気量の変化を記録するもの。
フローボリューム曲線
気流速度と肺気量の関係を表したものがフローボリューム曲線である。
最大吸気から最大努力呼気したときの曲線をフローボリューム曲線と呼ぶことが多い。
以上になります。
今回は『呼吸の計算式』について勉強していきました。
特にここに載っている内容は全て必須になりますので、必ず覚えておくようにしましょう。
【3学会合同呼吸療法認定士】は、持っているスタッフがいるだけでその病院は呼吸器疾患(Ⅰ)を取れるようになるので非常に重宝される資格です。
ぜひ3学会合同呼吸療法認定士の資格取得を目指してみてください。
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3学会合同呼吸療法認定士を持っていると、呼吸理学療法で獲得できる診療点数が変わります。
もちろん、病院としての収入も増えるので、お給料に反映される場合が多いです。
もし、3学会合同呼吸療法認定士を持っているにもかかわらず給料や待遇が変わらないのであれば、待遇が変わる職場に転職することを視野に入れてもいいと思います。
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