【認定理学療法士試験対策】肩関節疾患の理学療法:運動器の専門問題(No.2)

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キム兄
キム兄

2019年、認定理学療法士・必須研修の2コマ目『肩関節疾患の理学療法』で重要(試験に出そう)な部分をまとめました。

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【認定理学療法士試験対策】専門問題テスト:EBPT

【認定理学療法士試験対策】EBPT:運動器の専門問題(No.1)
2019年【運動器】認定理学療法士・必須研修の1コマ目『EBPT Clinical Reasoning』で重要(試験に出そう)な部分をまとめました。

 

肩関節の機能解剖

 

  • 肩甲上腕関節は人体で最も可動性が高く、構造的に不安定な関節
  • 評価において柔軟性と安定性を同時に考える必要がある

 

5つの関節

<解剖学的関節>
  • 肩甲上腕関節
  • 胸鎖関節
  • 肩鎖関節

 

<機能的関節>
  • 第二肩関節
  • 肩甲胸郭関節

 

腱板断裂

  • 腱板不全断裂
    腱板の一部の断裂:疼痛が主体
  • 腱板完全断裂
    腱板全層にわたる断裂:筋力低下を伴う

 

腱板断裂の特徴

  • 痛み
  • 筋力低下
    主に外転筋
    断裂が大きくなると回旋筋も低下
    偽性麻痺
  • 拘縮
    烏口上腕靭帯・関節包
    肩峰下滑液包の癒着
    痛みによる偽拘縮

 

痛みの原因

  • 断裂部位の炎症
  • 断裂部・SABの圧迫・摩擦
  • 断裂部・癒着部位の伸張
  • 滑膜炎を伴う関節包の伸張

 

痛みの評価

  • 痛みを生じる動作
  • 痛みの起きる肢位
  • 圧痛部位

 

圧痛がないか確かめよう

  • 損傷(炎症)しやすい組織を調べる
    腱板
    上腕二頭筋長頭
    腱板
    肩鎖関節など

 

肩甲上腕関節角度から評価

  • 内側縁と肩甲棘の角度
    約100度
  • 接触圧が高まる挙上角度
    肩甲棘より約40度内転位

 

挙上時の回旋肢位と接触部位

  • 内旋位:SSP、ISP:肩峰圧1位(上後方
  • 中間位:SSP:肩峰圧2位(上方
  • 外旋位:SSP、SSC、LHB:肩峰圧3位(前上方

 

運動中の触診:上腕骨頭

  • 骨頭が反対側に押し出される
    内旋:前方
    外旋:後方
    外転:上方

骨頭の押し出し→関節包・靭帯の緊張。拮抗筋の緊張で減少

 

関節内インピンジメント

  • 腱板が上腕骨頭と関節唇に挟まれる:最終可動域で生理的に生じる
  • 外転、外旋で関節唇がつぶされる

 

関節内インピンジメントが強まる要因

  • 同方向運動(上腕骨外転、肩甲骨上方回旋):ストレスを回避(衝撃吸収)
  • 運動減弱(上腕骨の運動大、肩甲骨の運動小):回避力低下
  • 逆方向運動(上腕骨外転、肩甲骨下方回旋):ストレス増強

上腕骨運動に対する肩甲骨運動がポイント

 

伸張(牽引)

棘上筋が伸張される肢位

肩関節伸展・内転

 

棘下筋が伸張される肢位

  1. 肩関節伸展・内旋
  2. 挙上0度・内旋
  3. 挙上30度・内旋

 

小円筋が伸張される肢位

  1. 肩関節挙上60度・内旋
  2. 挙上90度・内旋
  3. 挙上30度・内旋

 

肩甲下筋が伸張される肢位

<上部>

肩関節挙上0度・外旋

<下部>

  1. 肩関節水平伸展・外旋
  2. 挙上60度・外旋
  3. 挙上30度・外旋

 

保存療法の可能性

  • 自然回復は期待できない
  • 40歳以上の健常者の34%に無症候性断裂
  • 保存療法により有症性腱板断裂患者の49%で疼痛消失、39%で投薬不要レベルまで改善
  • ただし、筋力回復は手術療法のほうが期待できる

 

治療方針

炎症の軽減

  • 局所の安静
  • 夜間痛があればポジショニング

 

物理的刺激の軽減

  • 肩峰下インピンジメント
    外旋運動の獲得
    内外旋運動と表層筋群抑制
  • 関節内インピンジメント→部位による代償
  • 拘縮の優先的治療
  • 棘上筋の選択的運動は避ける

 

術後リハの基本的な考え方

  • 術部の保護につとめる
    棘上筋が強固に結合するのは約4か月後
    術後6か月以内は再断裂率が高い
  • 拘縮の予防
  • 患部外の維持、改善
  • 自動運動・筋力増強運動は徐々にすすめる

 

挙上開始・下降最終時の翼状肩甲

  • 肩甲骨の下方回旋
  • 原因
    GHの内転制限
    棘上筋の筋力低下
    前鋸筋下部線維の筋力低下、収縮不全

 

肩関節周囲炎

<症状>
  • 疼痛
    運動時痛
    夜間痛
    安静時痛
  • ROM
    全方向に制限
    炎症期は痛みによる制限
  • 筋力低下は伴わない

 

リスクファクター

推奨グレードB

糖尿病、肩関節術後、甲状腺疾患、高脂血症、職業(デスクワーク)

 

推奨グレードC

心臓手術、心臓カテーテル、パーキンソン病、くも膜下出血後

 

リスクファクター:糖尿病

  • DMに罹患した患者に後発
  • 特にIDDMにおいて発生率が高い
  • 同じ年齢の足の整形疾患患者よりDMが多い

 

肩関節周囲炎の病期

  1. 凍結進行期:2.5か月ー9か月
    誘因なく痛みとROM制限
    安静時痛、夜間痛
  2. 凍結完成期:4ー12か月
    痛みは減るがROM制限は残る
    痛みは最終域のみに生じる
    ROM制限は全方向、特に外旋にある
  3. 寛解期:12-42か月
    可動域制限が改善

 

治療方針

  • まず病期を判断
    安静時痛=凍結進行期
    運動最終域の痛み=凍結期
  • 治療
    凍結進行期:愛護的ROM、ポジショニング、代償運動の検討
    凍結完成期:積極的なストレッチ

 

治療例:結帯動作

  • 肩甲骨:外転・下方回旋・前傾
    筋:僧帽筋・前鋸筋による制限
  • GH:伸展・内転・内旋
    筋:棘上筋→伸展、内転を制限
    棘下筋→伸展、内旋を制限
    靭帯・関節包:後方関節包→内旋を制限

 

肩関節不安定症

不安定症の種類

  • 外傷性と非外傷性
    外傷性:関節唇損傷(Bankart損傷)
    上腕骨頭口蓋側欠損
    非外傷性:脱臼
  • 単方向性と多方向性
    単方向性:外傷性が多い
    多方向性:非外傷性が多い

 

外傷性不安定症の特徴

  • 前方不安定性
  • 肩甲下筋の損傷、筋力低下
  • 肩甲骨の運動機能低下は少ない
  • 深部感覚(関節覚など)低下

 

多方向性不安定症の特徴

  • 肩甲骨運動低下・運動異常
    外旋、上方回旋の減少
  • 筋力低下(腱板筋、肩甲骨周囲筋、体幹)
  • 表層筋(大胸筋、広背筋、三角筋)の過緊張
  • 全身の関節弛緩性
  • 姿勢不良
  • 深部感覚低下

 

不安定症の症状

  • 脱臼不安
  • 疼痛
  • 違和感、だるさ

 

評価

  • 肩甲骨アライメント
  • 肩甲上腕リズム
  • 筋力(肩甲骨固定下・非固定化)
  • ROM

 

治療ストラテジー

  • 肩甲骨運動を改善
  • 筋の収縮パターンを改善
    主動作筋の筋力強化
    拮抗筋のリラクゼーション

 

肩関節疾患のまとめ

  • 病期の確認
  • 疾患と病態の確認
  • 正しい骨頭の動きの獲得
  • 肩甲上腕リズムの獲得

 

まとめ(試験後追記)

肩関節に関しては非常に広範囲で出題されたように感じます。
こここそ、広く浅く丁寧に勉強したほうがいいです。

また、ここで紹介しているもの以外からも出題されていましたのでご注意を!

 

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