「もう限界かもしれない」
理学療法士として働く中で、そんな気持ちがふと頭をよぎったことはありませんか。
患者さんのために頑張りたいと思っているのに、現実は業務量に追われ、給料や将来への不安ばかりが積み重なっていく。
一方で、「辞めたいと思う自分は甘えているのでは」「退職したら後悔するのでは」と、なかなか一歩を踏み出せない人も多いはずです。
この記事では、理学療法士が退職を考える瞬間から、辞めるべきかの判断基準、揉めずに退職する方法、そして後悔しない次の一歩までを、現場目線で丁寧に解説します。
結論から言うと、理学療法士が「退職したい」と感じるのは珍しいことではなく、正しい判断軸と準備があれば後悔することはありません。
読み終えた頃には、あなたが取るべき選択がきっと見えてくるはずです。
【この記事の結論】
- 理学療法士が退職したいと感じるのは珍しくない
- 今すぐ辞めるべき人/残るべき人には明確な違いがある
- 準備すれば退職も転職も失敗しない
理学療法士が退職したいと感じる主な理由
理学療法士の離職率は、医療機関で10.2%、介護福祉機関では18.8%と決して低くありません。
多くの理学療法士が、働く中で一度は「このまま続けていいのだろうか」「辞めたい」という感情を抱いています。
ここでは、現場でよく聞かれる退職を考える代表的な瞬間を整理します。
患者より業務量に追われていると感じたとき
理学療法士として働き始めた頃は、「患者さん一人ひとりと向き合いたい」と思っていたはずです。
ところが現実は
- 単位数を稼ぐためのスケジュール管理
- 記録・書類作成に追われる毎日
- カンファレンスや委員会業務
- 人手不足による過剰な担当患者数
など、患者よりも業務量をこなすことが目的になっていると感じる瞬間が増えていきます。
本来やりたかった仕事と、実際にやっている仕事のズレが大きくなるほど、心の中に違和感が溜まっていきます。
「自分は何のために理学療法士になったんだろう」と思った瞬間、退職という言葉が頭をよぎるのは自然なことです。
成長している実感が持てなくなったとき
最初の数年は、新しいことを覚えるだけで精一杯で、毎日が刺激的だったと思います。
しかし、ある程度経験を積むと、業務内容が固定化され、「昨日と今日で何が変わったのか分からない」と感じるようになります。
- 新しい技術を学ぶ機会がない
- 勉強会が形骸化している
- 毎日同じ疾患・同じ内容のリハビリ
という環境に置かれることもあります。
周囲を見渡しても、自分が目指したいと思えるロールモデルがいない。
そんな環境では、どれだけ真面目に働いていても、成長実感を得るのは難しいものです。
「このまま何年続けても変わらないのでは」という不安が、退職を考える大きなきっかけになります。
「この給料で一生続けるのか」と思ったとき
若いうちは、「経験を積めばそのうち給料も上がるだろう」と考えていた人も多いでしょう。
しかし、年数を重ねるにつれ、昇給のペースや上限が現実として見えてきます。
理学療法士が退職を考える理由として、給料の問題は非常に大きいです。
- 昇給がほとんどない
- 役職がついても数千円〜数万円
- 夜勤や手当で稼げない
- 他職種と比べて将来性を感じにくい
責任や業務量は増えているのに、手取りはほとんど変わらない。
結婚や子育て、住宅購入など将来を考えたとき、「この収入で本当にやっていけるのか」と不安になるのは当然です。
給料の問題は、努力や気合で解決できるものではありません。
将来を冷静に考えた結果として退職を意識するのは、決して贅沢でも弱さでもありません。
先輩・上司の将来像に希望が持てなかったとき
職場の先輩や上司は、自分の数年後、十数年後の姿です。
- 何十年も働いているのに給料がほとんど変わらない
- 忙しさだけが増えて疲弊している
- 管理職になっても報われていない
待遇に不満を抱えながら我慢していたりする姿を見ると、自然と将来への不安が湧いてきます。
「あの人みたいになりたい」と思えない環境で働き続けるのは、想像以上に消耗します。
どれだけ「今」を頑張っても、その先に希望が見えなければ、モチベーションを保つのは難しいものです。
先輩の姿を見て将来に希望が持てなくなったとき、退職を考えるのはごく自然な流れです。
理学療法士は今すぐ退職すべき?迷ったときの判断基準
「辞めたい」と感じたとき、すぐに退職していいのか、それとももう少し耐えるべきか、迷う人は多いでしょう。
ここでは、判断の目安を整理します。
今すぐ辞めたほうがいい理学療法士の特徴
以下に当てはまる場合は、早めの退職を検討したほうがいい可能性があります。
- 心身の不調が出ている(不眠・食欲不振・動悸など)
- 職場に行くこと自体が苦痛
- 明確なハラスメントがある
- 改善の余地がまったくない
- 努力しても評価されない環境
特に、健康を害してまで続ける必要はありません。
仕事のストレスは多少あって当然ですが、限度を超えている場合は注意が必要です。
朝起きると動悸がする、職場に向かうだけで気分が悪くなる、休日も仕事のことが頭から離れない。
こうした状態が続いているなら、心身が悲鳴を上げているサインかもしれません。
特に、ハラスメントがある、改善を求めても無視される、努力がまったく報われない環境では、頑張り続ける意味は薄いと言えます。
理学療法士は人を支える仕事ですが、まず自分の健康が守られていなければ続けられません。
もう少し様子を見てもいいケース
一方で、「辞めたい」という気持ちが一時的なものである場合もあります。
- 一時的な忙しさ
- 配属先や上司との相性
- 新人・異動直後の不安
などが原因の場合、少し環境が変わるだけで改善することもあります。
感情が強く揺れているときほど、判断を急ぎがちです。
一度立ち止まり、「何が一番つらいのか」「本当に変えられないのか」を整理してみることも大切です。
「辞めたい=甘え」ではない理由
理学療法士は責任感が強い人が多く、「辞めたいと思う自分は弱いのでは」と自分を責めてしまいがちです。
しかし、仕事に疑問や限界を感じるのは、ごく普通の感情です。
合わない環境で無理を続けることが、必ずしも正解とは限りません。
大切なのは、「逃げたいから辞める」のではなく、「自分の人生をより良くするために選ぶ」という視点です。
退職を考えること自体を否定する必要はありません。
理学療法士の退職方法|現場で揉めない伝え方
退職を決めたら、次に重要なのが伝え方です。
上司に伝えるベストなタイミング(病院・老健・訪問)
退職の意思は、思い立ったらできるだけ早めに伝えたほうが、結果的に円満に進みます。
法律上は2週間前でも問題ありませんが、病院や老健、訪問リハの現場では現実的とは言えません。
引き継ぎや患者対応、人員調整を考えると、2〜3か月前が一つの目安になります。
伝える際は、忙しい時間帯や業務の合間を避け、落ち着いて話せる時間を選ぶことも大切です。
朝一番に上司に『話があること』を伝えれば時間を作ってくれます。
メールや電話ではなく、直接会って誠実に伝える姿勢が、不要なトラブルを防ぐことにつながります。
引き止められた時のリアルな返し方【例文】
退職を考えていると伝えると、ほとんどの場合で引き止めにあいます。
その場の空気に流されて「少し考えます」「状況次第で…」と答えてしまうと、話が長引き、決断が揺らいでしまいます。
大切なのは、感情的にならず、意思が固いことを落ち着いて伝えることです。
例文①|引き止めを断り、感謝+決意をはっきり伝える
「評価していただきありがとうございます。これまでたくさん経験させていただき、本当に感謝しています。何度も悩みましたが、自分なりに出した結論なので、退職の意思は変わりません。残りの期間は、引き継ぎをしっかり行いたいと考えています。」
→感謝 → 熟考した決断 → 協力姿勢の流れで、感情的な引き止めを受けにくい言い方です。
例文②|条件提示を断るとき(昇給・配置換えなど)
「ご配慮いただきありがとうございます。ただ、条件や配置の問題ではなく、今後の働き方や将来を考えたうえでの決断です。申し訳ありませんが、退職の意思は変わりません。」
→「条件次第なら残るのでは?」という誤解を断ち切り、交渉を長引かせないための表現です。
退職届を出しても受理されない場合の対処法
ごく稀ですが、退職届を出しても受理されない、話を先延ばしにされるケースがあります。
しかし、法律上は退職の自由が認められています。
民法627条では、期間の定めのない雇用契約であれば、退職の意思を伝えてから2週間で契約は終了するので、感情的にやり合う必要はありません。
口頭だけでなく書面で意思を残すことで、後々のトラブルを防げます。
それでも話が進まない場合は、第三者機関や退職代行を利用するのも現実的な選択です。
→退職代行はこちら(
Win-Win(ウィンウィン))
理学療法士が退職代行を使うのはアリ?ナシ?
結論から言うと、アリです。
退職代行を使った理学療法士の実例
実際に退職代行を利用した理学療法士の中には、
「精神的に本当に楽になった」
「もっと早く使えばよかった」
と振り返る人が少なくありません。
例えば、病院勤務5年目の30代理学療法士Aさんは、上司に退職を切り出すたびに強く引き止められ、
「今辞められたら困る」
「責任感が足りない」
といった言葉を繰り返し投げかけられていました。
話をするだけで動悸が出るようになり、自分から退職の話をすること自体が限界だったそうです。
そこで退職代行を利用したところ、本人は一切職場と連絡を取ることなく、退職の意思表示から退職日までがスムーズに決定しました。
必要な書類のやり取りも事務的に淡々と進み、感情的な衝突は一切なかったといいます。
Aさんは後に、
「あれだけ悩んでいたのが嘘みたいだった」
と語っていました。
このように退職代行を使うことで、上司との直接的なやり取りを避けられるため、退職の連絡や手続きがスムーズに進みやすくなります。
精神的な負担を最小限に抑えながら退職できる点は、大きなメリットです。
退職代行は決して特別な手段ではありません。
自分を守るための、今の時代に合った現実的な選択肢の一つと言えるでしょう。
医療職でも退職代行が問題ない理由
「医療職が退職代行を使うのは無責任なのでは?」と不安に感じる人も少なくありません。
しかし、結論から言えば、医療職であっても退職代行の利用に法律上の問題は一切ありません。
退職代行は、本人の退職の意思を第三者が代理で伝えるサービスであり、違法性はなく、労働者に認められた正当な権利の範囲内です。
医療現場だからといって、退職の方法に特別な義務や例外が課されているわけではありません。
人手不足や忙しさを理由に、退職を言い出せない空気がある職場も多いですが、それは個人が背負うべき問題ではないのです。
無理に我慢を続け、心身を壊してしまっては、結果的に誰のためにもなりません。
- 「自分で伝えるのがつらい」
- 「話し合いになると引き止められてしまう」
そんな状況であれば、退職代行という選択肢を知っておくだけでも心は楽になります。
今すぐ使う必要はありませんが、いざというときに頼れるサービスがあると分かっているだけで、気持ちの余裕は大きく変わります。
自分を守るための手段として、一度情報を確認してみるのも、決して間違いではありません。
退職代行を使った方がいいケース・使わない方がいいケース
退職代行は便利ですが、すべての人に必要というわけではありません。
強い引き止めが予想される場合や、ハラスメントがある、精神的に限界という状況では有効な選択です。
一方で、上司と冷静に話し合える関係性があり、円満退職が見込める場合は、無理に使う必要はありません。
自分の性格や職場の状況を踏まえて、最も負担の少ない方法を選ぶことが大切です。
退職後に後悔しないために知っておくべきこと
お金の不安はどこまで現実的か
退職を考えたとき、真っ先に浮かぶのがお金の不安です。
ただ、その多くは「なんとなく不安」という漠然としたものだったりします。
実際には、貯金額、失業手当、次の仕事までの想定期間を具体的に書き出してみると、「思っていたより何とかなる」と感じることもあります。
数字として把握することで、感情に振り回されず、冷静な判断がしやすくなります。
転職先を決めずに辞めるリスク
勢いで退職してしまうと、収入が途絶え、精神的な余裕も一気になくなります。
その結果、「早く決めなければ」という焦りから、条件を妥協した転職をしてしまうことも少なくありません。
そうして再び不満を抱え、短期間での離職につながるケースもあります。
可能であれば、在職中に情報収集だけでも進めておくことで、選択肢を広く持つことができます。
できれば、次の職場を決定してから退職した方がいいと思います。
「辞め癖」がつかない考え方
退職を繰り返してしまう人に共通しているのは、「なぜ辞めたのか」を振り返らず、環境だけを変えている点です。
ちょっとでも嫌になれば退職するという考え方では危険だと思います。
今回の退職で何が一番つらかったのか、次は何を大切にしたいのかを整理することで、同じ失敗を防ぐことができます。
退職は逃げではなく、次につなげるための選択です。意味づけをすることで、前向きな一歩になります。
※まだ辞めるか迷っている方へ
在職中の今だからこそ、選択肢を増やしておく必要があります。情報収取だけでもしておくことがとても重要です。
退職すると決めた理学療法士が最初にやるべきこと
退職すると決めた理学療法士が最初にやるべきことは、上司に退職したい旨を伝えることではありません。
その前にやるべきことは『転職活動』です。
転職活動は、辞める前に絶対にしておいた方がいいです。
在職中に転職活動したほうがいい理由
在職中に転職活動をする最大のメリットは、精神的な余裕があることです。
収入がある状態であれば、条件を冷静に比較でき、妥協せずに選びやすくなります。
また、焦って決める必要がないため、結果的に長く続けられる職場に出会いやすくなります。
少しずつ情報を集めるだけでも、将来への不安は軽くなります。
理学療法士向け転職サイトを使うメリット
理学療法士向けの転職サイト(例:
レバウェルリハビリ・
PT・OT・ST WORKERなど)では、一般には出回らない非公開求人や、内部事情に詳しい担当者から話を聞くことができます。
職場の雰囲気、人間関係、実際の働き方など、求人票だけでは分からない情報を得られるのは大きなメリットです。
一人で悩むより、第三者の視点を入れることで、選択肢が一気に広がります。
まずは登録だけしておく、という選択肢
今すぐ転職するつもりがなくても、転職サイトに登録して情報を集めておくだけでも意味があります。
「いつでも動ける」という選択肢を持っているだけで、心に余裕が生まれるからです。
今の職場に留まるにしても
- 他の職場を知ったうえで残る
- 知らずに我慢して残る
では気持ちが大きく違います。
選択肢を持つこと自体が、自分を守る行動です。
退職を考えることは、決して逃げではありません。
理学療法士として真剣に働いてきたからこそ、今の環境や将来に違和感を覚えるのは自然なことです。
大切なのは、感情だけで決断せず、正しい情報を持ったうえで選択すること。
そのためにも、まずは転職サイトに登録し、今の職場以外の選択肢を知ることをおすすめします。
今すぐ辞めなくても構いません。「いつでも動ける」という状態を作るだけで、気持ちは驚くほど楽になります。
比較したうえで今の職場を選ぶのも立派な判断です。
視野を広げることが、後悔しない一歩につながります。
まだ辞めると決めていなくても大丈夫、まずは今の職場以外にどんな選択肢があるのかを知るところから始めてみませんか。







