食事形態を上げる時に役立つ病院で使用している食形態フローチャート

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これからの時代、PTも摂食嚥下の事を知っておかなければなりません。

もちろん、STはさらに深く追求していかなければなりません。

 

病院での食形態をどうやって決めていますか?

適当に決めていたら患者が志望するリスクだってある内容です。

しっかりと精査するために、フローチャートを活用します。

 

フローチャートを活用することで

  • STがどのような考えで食形態を決定しているか知ることができる
  • 現在、患者がどのレベルの嚥下機能化を客観的に確認することが出来る
  • PT・OTそして看護師も患者の嚥下評価ができるようになる

このようなメリットがあります。

 

ここでは、当院で活用している嚥下機能評価のフローチャートをご紹介しますので、ぜひ参考にして自分の施設でも役立ててください。

 

食事形態を上げる時に使っている『食形態フローチャート』

嚥下評価の対象者の選定

このフローでは以下の患者全員が対象になります。

  • KT37.5以下
    コロナの影響で37.5度以上の患者は介入しないため
  • JCS1桁
    意識障害のある患者は嚥下もクソもないため
  • STオーダーが出ている
    医師の指示が無いと介入できないため

STオーダーのない患者を嚥下評価するには医師の許可が必要です。

一旦、医師に確認する必要があるので当日に評価するのは難しいと思います。

 

摂食嚥下評価実施のタイミング

基本的には入院した当日に実施します。

そうしないと食形態が分からないまま一夜を過ごすことになるので。

ただし、緊急入院や、当日に医師から指示が出た場合はSTが介入前に拾いきれないので、STに直接病棟から連絡を貰えるようにしています。

 

嚥下評価の流れ

初回の嚥下評価は看護師立ち合いのもと行います。

情報共有が目的です。

  1. 空嚥下
    30秒で0回だった場合は食止め
    30秒で1-2回だった場合は水のみテスト3mlへ
    30秒で3回だった場合は水のみテスト30mlへ
  2. 水のみテスト(3mlとろみあり)
    3mlで誤嚥があれば食止め
    3mlで誤嚥がなければ30mlへ
  3. 水のみテスト(30mlとろみなし)
    30mlで誤嚥があれば嚥下食
    30mlで誤嚥がなければ病前調査へ
  4. 病前調査
    前院・入院前は常食だった場合は「常食」を提供
    前院・入院前の情報なし、あるいは常食じゃなかった場合は「刻み・おかゆ」
  5. 食止めの患者の対応
    基礎訓練を随時実施、空嚥下が1-2回できれば水のみテスト3mlへ
  6. 嚥下食・刻み・おかゆの患者の対応
    嚥下精査を実施(VE/VF、ASAPなど)
    精査後、食形態の判定
    基礎訓練を随時実施、空嚥下と水のみテスト3mlで評価継続

 

食形態フローチャートから食事形態を決定する方法

細かい食形態や一口量、ポジショニングはSTがさらに細かい評価をして決定します。

これはフローには載せられない(個別性が大きく占めるため)ので、随時カルテに情報を共有し、病棟看護師とも情報交換をしていきます。

フローチャーを利用することで、嚥下機能が分かりやすく、かつ即座に決定することができます。

嚥下に知識のない看護師やPT・OTにもわかりやすいチャートになっているとおもいます。

 

 

食事形態を上げる時に役立つ食形態フローチャートまとめ

現代の医療現場では、理学療法士(PT)を含むすべてのリハ職種が摂食嚥下に関する基礎知識を持つことが求められています。

食形態の決定は誤嚥や窒息にも関わる重要な判断であり、適当に決めることは大きなリスクにつながります。

そのため当院では、嚥下機能の評価から食事形態の決定までを段階的に示した「食形態フローチャート」を活用し、誰が見ても同じ基準で判断できる体制を整えています。

このフローを利用することで、STの思考プロセスが共有され、患者の嚥下機能を客観的に把握しやすくなり、PT・OT・看護師も共通の基準で評価が可能になります。

 

評価対象の選定、実施タイミング、空嚥下や水飲みテストといった評価手順を明確化することで、安全な食事提供につなげられる点も大きなメリットです。

個別に必要な食形態や一口量、姿勢設定はSTが詳細に判断し、随時情報共有を行います。フローチャートの導入は、嚥下評価の質とチーム連携を高める有効なツールといえます。