転職を考えている理学療法士へ ― 慢性期病院で働くという選択肢

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多くの理学療法士が働く場は「一般病院」です。

一般病院は大きく 急性期・回復期・維持期(慢性期) に分けられますが、転職先を考える際に「慢性期病院」は選択肢から外していませんか?

 

「病院はどこも同じだろう」と思って入職すると、想像と現実のギャップに後悔しかねません。

ここでは、転職を考える理学療法士に向けて 慢性期病院のリアル をお伝えします。

 

慢性期リハビリテーションの特徴

慢性期病院には、次のような患者さんが多く入院しています。

  • 回復期を過ぎて改善が難しい方
  • 重篤な基礎疾患があり、自宅での介護が困難な方
  • 長期的な療養を必要とする方

別名で「長期療養病院」「維持期病院」と呼ばれることもあります。

 

患者さんの約半数はベッド上での生活が中心ですが、全員が全く動けないわけではなく、ある程度活動できる方もいます。

 

リハビリの目的は大きく2つ
  1. 廃用症候群の予防
  2. 残存能力の維持

「改善」よりも「維持」に重点を置くのが慢性期リハの特徴です。

 

慢性期リハで関わる疾患

疾患の幅は非常に広く、以下のように多岐にわたります。

  • 脳卒中・骨折といった一般的疾患
  • 糖尿病、腎不全、肝硬変などの内科系疾患
  • 心不全・呼吸不全
  • ALS、脊髄小脳変性症といった神経難病
  • がん(悪性腫瘍)
  • 廃用症候群

酸素マスク、胃瘻、経管栄養、透析など、医療依存度が高い患者さんも多く見られます。

「急性期では学べない幅広い疾患に触れられる」 のは、慢性期で働く大きなメリットの一つです。

 

愛護的リハビリテーション

慢性期リハでは「愛護的に行う」とよく言われます。

これは「やさしく撫でるように動かす」ことではありません。

患者さんの 身体的負担のギリギリを見極め、効果的な負荷をかける ことが重要です。

単なる可動域運動やベッドサイドでの軽い運動だけでは意味がなく、家族でもできることになってしまいます。

愛護的でありながらも「リハビリとして治療効果を出す」――ここに理学療法士の専門性が問われます。

 

チームアプローチが不可欠 ― 看護師から学ぶ

慢性期リハの単位は 20〜40分程度。

短時間で患者の全てを把握するのは困難です。

そこでカギになるのが「看護師からの情報収集」。

オムツ交換や食事介助の場面での動き、日常的な表情や行動を看護師はよく把握しています。

 

転職後、すぐに職場で信頼を得たいなら、看護師との連携力 を磨くことが必須です。

 

慢性期リハの基本は「離床」

患者さんをできる限り車椅子へ座らせることが、慢性期リハの大切な目標です。

座位姿勢を取ることで・・・

  • 心臓への負荷を改善し、循環機能を強化できる
  • 脳血流を安定させ、失神などを防ぐ練習になる

もちろん、その際には バイタルチェック(血圧・酸素飽和度・脈拍・意識レベルなど)が必須です。

 

慢性期病院が「やりがいがない」と感じやすい理由

慢性期リハは「改善」よりも「維持」が目標。

そのため、急性期や回復期のように 目に見える変化 が少なく、モチベーションを保つのが難しいことがあります。

「結果が出ない…」と感じやすく、同期が急性期で成果を出しているのを見ると焦燥感を抱くこともあるでしょう。

しかし、 “変化がない=悪化していない” という価値 を実感できるようになると、慢性期のやりがいは大きく変わります。

 

慢性期病院の給料・待遇はどうか?

急性期・回復期・慢性期で 基本的な給与水準に大きな差はありません。

ただし、慢性期病院は 経験者を高待遇で採用する傾向 が強く、中堅以上のPTにとってはキャリアアップの選択肢になり得ます。

給料相場:月給・手当・ボーナスの実態

慢性期病院で働く理学療法士の基本給は18万〜23万円前後が目安です。

資格手当・皆勤手当・住宅手当などを含めた月給は21万〜26万円程度が一般的で、都市部や規模の大きい病院ではさらに高めに設定されることもあります。

交通費は別途支給され、社会保険料や税金を差し引いた手取り額はおおよそ20万前後になります。

 

ボーナス(賞与)は年間3〜4か月分という病院が多く、夏・冬の合計で60万〜90万円程度が目安です。

そのため、年収ベースでは360万〜420万円程度に収まるケースが多く、慢性期病院としては比較的高めの水準といえます。

入職後3か月程度は試用期間として給与がやや下がる場合があり、その間は手取りが17万〜18万円程度になることもあるため、生活設計には注意が必要です。

 

昇給事情とキャリアアップの現実

慢性期病院における昇給は年1回、月額2,000〜4,000円程度が一般的です。

給与の伸びは急性期ほど大きくはありませんが、役職(主任・係長・リハビリ科長など)に就くことで管理職手当が加わり、収入を大きく上げることも可能です。

 

また、高齢者リハや維持期リハに特化した認定理学療法士などの資格取得や、院内研修・チーム医療への積極的参加は評価につながります。

慢性期病院では、安定した環境で専門性を深めながら、段階的に年収アップを目指すキャリア形成が現実的です。

 

 

まとめ:慢性期は「経験者だからこそ」挑戦する価値がある

慢性期病院は、新卒や経験の浅いPTにとってはモチベーション維持が難しい環境です。

一方で、幅広い疾患を学びたい、臨床の引き出しを増やしたい、チーム医療を極めたい という経験者にとっては大きな成長の場となります。

  • 急性期・回復期を経て新しいチャレンジを探している
  • 幅広い疾患を診て臨床スキルを高めたい
  • 高待遇で働ける環境を探している

こうした理学療法士に、慢性期病院は強くおすすめできる職場です。

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