
キム兄
2019年、認定理学療法士・指定研修の1コマ目『協会が目指す認定理学療法士の役割』で重要(試験に出そう)な部分をまとめました。
配布資料の赤字部分を抜粋
医療研究の流れとヘルキンシ宣言
過去の人体実験等による非人道的な研究があった。
それからできたものがヘルキンシ宣言である。
ヘルキンシ宣言とは
医学研究は、単に科学的観点からだけでなく、倫理的な観点からの妥当性が必要とされた。
序言
8項:医学研究は、すべての人間に対する尊厳を深め、その健康と権利を擁護する基準に従わなければならない。
すべての医学研究のための基本原則
- 13項:全てのヒトを対象とする実験手続の計画と作業内容を計画書に明示する。この計画書は、考察、論評、助言を添えて特別に指名された倫理審査委員会に提出しなければならない。
- 22項:ヒトを対象とする研究はすべて被験予定者に十分な説明なされなければならない。対象者の自由意思によるインフォームド・コンセントを文書で得なければならない。
- 27項:研究結果は正確さを保つように義務付けられている。ネガティブな結果も、ポジティブな結果と同様に刊行またはほかの方法で公表されなければならない。
リスボン宣言
患者の権利に関するリスボン宣言が提唱。
11の権利は全て利用者に対するもので、それはチーム医療として機能する上で必然であったと言える。
患者の人権と個人情報の保護
個人情報保護法の対象は3つあり
- 個人に関する情報
- 生存する個人に関する情報
- 特定の個人を識別することができる情報
である。
倫理学
倫理学の基本的な理念は、人間とは理性的存在であるということに他ならない。
- 科学的、合理的な思考
- 倫理的、道徳的思考
である。
人格(パーソン)の概念
- 人格概念を前面に出す立場…パーソン論
- 欧米の生命倫理に関する議論の中心理念
Engelhardtのパーソン論
- ヒト(ヒューマン)と人格(パーソン)を区別し、前者は生物学的な概念、後者は人間を固有な存在として認知する。
- 人格(パーソン)を特徴づけるのは自己意識・理性・道徳・感覚である
- 人格を本来の人格と社会的人格に区別する
医療倫理の変遷(へんせん)
世界社会(ニクラス・ルーマン)
社会システムの機能分化時代と共に、部分社会が形成される。
部分社会は2つの型に分けられる。
- 規範的予期類型(法、政治、行政、メディアなど)
- 認知的予期類型(医療、経済、学術、テクノロジーなど)
健康の倫理
医療倫理から生命倫理へ(生への理学療法、死への理学療法)
生命倫理とは
先端医療技術の進歩が背景として存在
- 高齢者が増えてきた
- 慢性疾患が医療の前面に出てきた
- 植物状態の患者が増加した
環境倫理学の発展
- 自然の生存権:人間のみならず生物、生態系、景観にも生存の権利を認める立場
- 世代間理論:現在のみならず、未来の世代も含めた倫理
- 地球全体主義:個人より地球の生態系維持を重視する
医療事故と科学・倫理
医療過誤と法的責任
法的責任は『刑事責任』『民事責任』『行政上の責任』がある。
- 刑事責任:加害者の主観綿が重視
- 民事責任:加害者の故意・過失によりその負担に軽重が生じない
- 行政上の責任:医療の安全確保を目的としている
注意義務の水準
業務の性質に照らし、危険防止のため最善の注意義務を要求される。その基準は、診療当時における臨床医学の実践医療水準である。
診療報酬
リハビリテーション医療は、基本的動作能力の回復等を目的とする理学療法や、作業療法、言語療法等の治療法により構成される。
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【認定理学療法士試験対策】共通問題テスト:臨床・疫学研究

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