
「長距離通勤なんて仕方ない」「慣れれば大丈夫」
と思っていませんか?
実は、通勤時間は私たちの幸福度、健康、そして家庭生活にまで影響を与えることが数多くの研究で示されています。
総務省が令和3年に実施した「社会生活基本調査」によると、日本の平均通勤時間は往復で1時間19分、片道にすると約40分だそう。
あなたの通勤時間がそれより短いからって安心できません。
本記事では、最新のデータや研究から通勤時間でストレスになったり、健康を害する可能性があることがわかっています。
この記事では、通勤時間がどんな影響を与えるのか、研究データを元に解説していきます。
読み終わる頃には、「通勤時間」を軽視せず、長距離通勤をしない大切さを実感できるはずです。
通勤時間が長い理学療法士・作業療法士はストレスが増える?
理学療法士や作業療法士のみならず、通勤時間が長いほどストレスが増え、心身や生活に悪影響が出やすくなります。
日本生命基礎研究所の調査によると、通勤時間が片道10分未満の人を基準とした場合、通勤が30分以上になると幸福度スコアは明らかに低下することが分かっています。
通勤時間と幸福度の関係-リモートワークの拡大で幸福度は高まるか?>
長時間の通勤は自由時間や睡眠時間を削る必要性があるためです。
例えば、地方勤務で車通勤が長い場合や都心で電車の乗り換えが多い場合、慢性的な疲労や不安感が増え、肥満や生活習慣病のリスクも高まります。
さらに、通勤に時間を取られることで家族や趣味の時間が減り、生活満足度の低下や離婚リスクにもつながる可能性があります。
つまり、通勤時間の長さは単なる時間の問題ではなく、ストレス、健康、幸福度、さらにはキャリア選択にも大きく影響する重要な要素です。
基本的に通勤時間は短い方が良いです。
なぜ長時間の通勤がストレスを生むのか、具体的にどんな影響があるのかお話しします。
長時間通勤がもたらす心身への影響と具体例
長時間通勤は、我々の生活にさまざまな悪影響を与えます。
- 離婚リスクが高まる
- 不安感が強まる
- 体重増加や生活習慣への影響が出る
- 睡眠不足を招く
- お金では買えない貴重な時間が失われる
というリスクが挙げられます。
以下に詳しく解説していきますね。
長時間通勤で離婚リスクが高まる理由
スウェーデンの研究では、通勤時間が片道45分を超える家庭は、離婚率が40%高いと示されています。
他にも、厚生労働省の「仕事と育児・介護の両立支援制度と通勤時間等・テレワークの調査結果」によれば、通勤時間が長い労働者ほど「仕事と家庭の両立」にかかる負荷が大きいことが報告されています。
例えば、往復通勤時間が片道1時間を超えるケースでは、育児や家事の時間確保が難しいと回答する割合が高くなる。
よく考えれば当たり前のことなのですが、こうしたデータから、長時間通勤を強いられている人は、家庭環境も良くないことが疑われます。
さらに、国土交通省の「我が国の居住者をめぐる状況について(平成30年度テレワーク人口実態調査)」では、子育て世帯の共働きの家庭において、通勤時間が40分以内の住居を選ぶ傾向が強いとのこと。
通勤時間を短縮することは、家庭内のコミュニケーションや時間の共有がしやすくなるので、離婚しにくくなると思われます。
不安感が強くなる理由
イギリスのONS(国民統計局)の分析では、通勤が長くなるほど「不安のスコア」が上昇することが分かっています。
満員電車に押し潰されるような通勤や毎朝渋滞に巻き込まれる状態では、出勤した時点で疲労感とイライラを抱えている状態になります。
実際、片道1時間以上かけて通勤している人の84.6%が、その通勤時間にストレスを感じているとの調査結果があります。(プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMESより)
また、「通勤時間が長い」労働者ほど、抑うつ傾向がある割合が高まるという研究も報告されており、慢性ストレスが不安感や抑うつのリスクを引き上げるそうです。(ナゾロジー)
通勤時間によって心理的不安を持って、鬱になってしまっては元も子もありませんね。
通勤時間は絶対に短い方がいいです。
長時間通勤は太りやすさにも影響するという理由
アメリカの研究では、車通勤が長い人ほど肥満率が高いことが示されています。
長時間通勤は、移動中の身体活動がない状態が続くため、運動不足を招きやすいです。
例えば
- 徒歩や自転車などアクティブな通勤手段の人
- マイカー通勤
この2例を比較した日本の追跡調査では、徒歩や公共交通機関を利用している人は過去5年でのBMI変化が 0.01kg/m²程度 と非常に小さいのに対し、マイカー通勤者やマイカー通勤に替えた人では 0.19〜0.24kg/m² の増加傾向が見られ、体重増加リスクが高いことが分かっています。(kannet-sai.org)
また、アクティブ通勤(歩き・自転車・公共交通)をしている人は、車通勤者と比べてBMIと体脂肪率が低くなるという英国の大規模調査でも確認されています。(日本肥満症予防協会)
徒歩や自転車通勤の圏内であれば、それが運動にもなるし肥満予防になります。
もちろん、通勤時間が短ければ、余暇活動にも専念できるので結果的にストレス改善され肥満予防に繋がります。
太ってる人に通勤時間を聞いてみたくなりますね。
睡眠不足との関連性がある理由
ハーバード大学の調査では、通勤時間が1時間増えるごとに睡眠時間が平均30分以上減るとされています。
通勤時間が長いと、当然帰りの時間も遅くなります。
これは、「勤務間インターバルと睡眠時間・睡眠の質に関する調査」で明らかにされており、勤務間インターバル(仕事終わりから翌日の仕事始めまでの時間)が短い人ほど平均睡眠時間が6時間未満になる傾向が強く、かつ睡眠の質も低下しているという結果が出ています。
睡眠の質が低下すると、仕事の効率が下がるので、社内評価の低下にも繋がります。
できるだけ早く帰って、できるだけ遅く出勤するというのが今のトレンドです。
通勤時間はお金には代えられない
チューリッヒ大学の試算では、長い通勤のストレスを埋め合わせるには年収40%増が必要とされています。
つまり、給料が多少上がっても、通勤が長くなれば「トータルでは損」になる可能性が高いのです。
通勤時間は「お金では買えない貴重な時間」です。
たとえば片道10分の差でも年間に約80時間。
この時間があれば、家族との団らんや資格試験の勉強、ジムでの運動など、自分の人生を豊かにする活動に使えます。
実際、生命保険文化センターの調査では通勤時間が短いほど生活満足度が高い傾向が確認されており、三菱UFJリサーチの報告では在宅勤務で通勤が減った人の多くが「趣味や家族との時間が増えた」と答えています 。
つまり、通勤時間の短縮は生活の質や幸福度を高める最も効果的な自己投資の一つと言えますね。
通勤時間が長い理学療法士の転職ガイド
通勤時間が長くて日々のストレスが大きい場合、転職は有効な解決策です。
ただし、闇雲に辞めるのではなく、条件を整理して計画的に動くことが重要です。
絶対に確認すべき事項として
- 片道30分以内を目安に勤務地を選ぶ
- 時差出勤や直行直帰など勤務形態も確認
- 給与とのバランスを比較すること
これらが大切です。
効率的に職場を探すには転職サイトやエージェントの活用が有効です。
たとえば、
レバウェルリハビリでは勤務地検索が細かく設定でき、
PT・OT・ST WORKERでは通勤条件を伝えると希望に合う職場を紹介してもらえます。
通勤を理由に転職する場合も、計画的に条件を整理すれば、健康と仕事満足度を両立できます。
まとめ
通勤時間が長いことは
- 幸福度の低下
- 離婚リスクの増加
- 不安やストレスの増加
- 肥満や睡眠不足のリスク
といったネガティブな影響をもたらすことが研究で示されています。
通勤時間が長くてメリットなんてほとんどありません。
もし通勤が毎日の負担になっているなら、転職サイトやエージェントを活用して、自宅近くや希望条件に合った職場を探すのも一つの方法です。
勤務地や勤務形態を比較しながら、自分に合った環境に移ることで、生活の質と仕事の満足度を同時に高めることができます。




