出世
理学療法士として働いていると、「主任になったほうがいいのかな?」と考える瞬間、ありませんか?
でも疑問もありますよね。
- 「主任になっても給料があまり上がらないのでは?」
- 「責任ばかり増えるのでは?」
そんな不安を感じていませんか?
実際に主任として働いた私が、出世で変わったこと・変わらなかったことを本音で語ります。
私は実際にヒラの理学療法士からリハビリテーション科の主任に昇格しました。
出世を経験してみて感じたのは、メリットもあるけど同じくらいデメリットもあるということ。
実際に主任に出世してよかったと思いますし、今の仕事は大変だけどやりがいもあります。
とはいえ、さらに高みを目指していきたいか?と言われると「…。」と閉口してしまうのも事実。
今回は、理学療法士として主任になって感じたリアルなメリット・デメリットを本音でまとめます。
主任を目指すか迷っている方、あるいはすでに主任になって「思ってたのと違う」と感じている方に、少しでも参考になれば幸いです。
理学療法士が主任になるメリット
年収・手当がアップする(理学療法士の主任の年収)

私の職場では、主任になると役職手当が2万円支給されます。
正直「もう少し欲しいな」と感じましたが、年間で24万円の収入アップ。
主任業務にやりがいを感じる人にとっては年収24万円アップは大きなモチベーションになりますよね。
ちなみに公務員ベースで考えると、主任手当4万円・課長6万円・部長8万円ほどが相場。
係長と課長補佐では15万円も差がある!
【参考|人事院】
理学療法士であれば
- 主任:40,000円
- 課長:60,000円
- 部長:80,000円
くらいだと言われています。
理学療法士は出世してもあまり金額は増えないんですね。
発言権と裁量が得られる

主任になると、カンファレンスや経営会議に参加できるようになります。
つまり、「自分の意見を病院経営に反映できる」立場に変わり、物事を決定するための発言権が得られるということ。
たとえば私の場合、会議の中で、日・祝日にもリハビリを実施できるか?という議題が上がったのですが、病院側と私の面談で「日曜の午前だけなら人員を出せます」と伝えた結果、それが採用されました。
ヒラの時は上司経由でしか意見が通らなかったのに、今では直接経営陣に提案できるのは大きな変化です。
自分の発言で職場の方向性を変えられるのは、大きな魅力です。
自分の意見が通りやすくなれば、自分の理想となるリハビリテーション科を作ることも可能です。
信頼が増し、仕事がスムーズに

主任という肩書は、信頼そのものです。
医師や看護師から「彼が言うなら大丈夫」。そういった信頼もヒラ社員の時とはかなり違います。
以前は医師に直接話しかけるのも気を遣いましたが、今では医者も私の名前と顔を覚えてくれるようになりましたし、気軽に相談できます。
理学療法士にとって『信頼関係』は何よりも大事。主任になると、信頼を得やすくなります。
老後・退職金の保証が上がる
主任などの役職があると、老後の保障、つまり『退職金』が増える傾向にあります。
| 役職 | 勤続年数 | 公務員モデル(目安) | 民間病院モデル(目安) | 増加率 |
|---|---|---|---|---|
| 一般理学療法士 | 30年 | 約600万円 | 約450万円 | ― |
| 主任(係長クラス) | 30年 | 約750万円 | 約550万円 | 約20〜25%アップ |
将来的な老後資金やキャリアの安定を考えても、役職があることは大きな強みです。
また、もし働けなくなった場合でも、病院側が別業務を用意してくれるケースもあります。
なんらかの事情で働けなくなった時でも、いままでのキャリアを生かした仕事を病院側が提供してくれる可能性が高いです。
キャリアの“保障”という意味でも主任は有利です。
モチベーションが少し上がる

私は「登用試験」を受けて主任になりました。
試験を受けなければ主任にはなれないのですが、私がなぜ「めんどうな登用試験」を受けたかというと、仕事のモチベーションがかなり下がっていたからなんです。
役職に就いたことで責任感が生まれ、仕事のメリハリも付きますし、責任感も持てるのでモチベーションが低下している方にはお勧めです。
主任になった瞬間、周囲の見る目も変わります。
「おっ、あの人昇進したんだ」と一目置かれるし、理学療法士としてのキャリアに“新しい意味”を感じたい人にもおすすめです。
理学療法士が主任になるデメリット

出世も「良いことばかり」ではない…
面倒な業務が増える
主任になると、リハビリ科全体の運営管理・労務・会議出席など、雑務が一気に増えます。
リハビリも同時に行っているため、場合によっては昼休みを潰して書類作成をしたり、なんなら昼休みに会議が入ったりもします。
正直「リハ業務より書類仕事が多いじゃん」と思う日もあります。
リハビリが大好きな人にとって、こういった書類業務や会議の出席は負担になる可能性もあります。
業務範囲が広がる
仕事の範囲というか、知っておかなければならないことが増えます。
今までは患者の事だけを知っていればよかったのですが
- リハ科スタッフのこと(休暇・単位・担当患者・評価など)
- 他部門の仕事(いままで絡んだこともない総務課など)
- その他細かいルール
幅広い知識が必要になり、急な問い合わせにも対応しなければなりません。
最初は全部自分が答えないといけないのでプレッシャーを感じるかもしれません。
これもけっこう大変なんです。
他部門との関係が増える
医師はもちろん、病棟ナース・総務課・放射線技師・栄養科・薬剤科・検査科など平社員の時は顔も合わせなかったような人との連携が必要になってきます。
報連相が苦手な人も多いかと思いますが、主任になるとその頻度が上がります。
コミュニケーションが得意でない人には、かなりのストレスとなります。
主任になるとリハビリ介入はほとんどなく、多くても1日14単位くらいになります。
リハビリ業務より『人の調整』に時間を取られることが多くなります。
理学療法士は主任を目指すべき?
結論から言うと、チャンスがあるなら一度は挑戦すべきだと思います。
なぜなら、理学療法士の出世チャンスは多くないから。
管理職は1つの職場に数人しかいないので、かなり狭き門。
そして、「主任経験あり」という肩書きは、転職時の強力なアドバンテージになります。
こんな求人を見たことはあるでしょうか。
【参考|
PT・OT・ST WORKER】
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これらの求人は『管理職を探している』求人です。
元管理職であれば、このような求人にバッチリ適合するはず!
また、管理職になっていればその後の人生にも何らかの変化をもたらします。
収入が増えたり、新しい仕事を始めたり、チャンスが増えるのも魅力。
もしもこれから転職を考えていたとしても、「管理職をしたことある」というアドバンテージはかなり強いです。
理学療法士の主任は本当に得?メリットまとめ
理学療法士として主任になることには、良い点も悪い点もあります。
でも確実に言えるのは、「主任になった経験」があなたのキャリアの価値を上げるということ。
- 収入アップにつながる
- 発言権・信頼を得られる
- 将来の転職やキャリアアップが有利になる
もし今の職場で出世しても報われないと感じるなら、主任経験を活かしてより評価される職場へ転職するのも良い選択です。
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【参考|】
