- 残業の多さ
- 休日出勤
- 長時間通勤
これは多くの理学療法士が抱える悩みです。
仕事が嫌になる原因は、お金ややりがいだけではありません。
こうした体に負担のかかる働き方は、長期間働き続けることを難しくしてし、精神的な負担を招いてしまいます。
こういった悩みを改善し働きやすい環境を選ぶことで、日々の生活に余裕が生まれ安心した日々を送ることができます。
この記事では、『働きやすさ』に着目し、理学療法士が転職を考える具体的な理由と、働きやすさを重視した職場選びのポイントについて解説します。
もしかしたらお金よりも大切なことかもしれません。
理学療法士が転職を考える理由
理学療法士が転職を考える理由の第1位はお金です。
そして、それ以降に続くのが、働きやすさやプライベートの時間の確保、いわゆるライフワークの確保という点です。
- 残業や休日出勤の多さ
- 土日に休みが取れない
- 通勤時間の長さ
これらの負担が積み重なることで、より働きやすい環境を求める転職の動きにつながっているのです。
残業や休日出勤の多さが負担
理学療法士の職場では、意外と仕事が多く定時退社が難しいケースが目立ちます。
職場によっては休日出勤や年末年始も出勤しなければならない場合もあり、かなり疲弊します。
例えば私が以前働いていた、回復期病院や外科手術を行う急性期病院では365日リハビリが当たり前ですし、イベントや研修・研究への参加を求められる場合があります。
研究のためのレポートは自宅に持ち帰り、単位は1日22単位で週108単位を義務付け。
残業時間でカルテを書いたり自己研磨する日々が続きます。
こうした働き方の環境に疑問を感じる方は、たくさんいると思います。
仕事が人生の大半を占めてしまうこの働き方に疑問を持つ方は、残業や休日勤務が少ない職場への転職を検討することが有効です。
土日休みなしプライベートが犠牲になっている
土日に休めるというのはメリットが多いです。
友人や家族と予定を合わせやすいのですが、土日もリハビリが必要な患者が多い病院はシフト制となります。
特に回復期、急性期病院は給料が高い代わりに土日も出勤という場合が多いです。
実際に私もそうでしたが、土日が休めないと家族や友人、子供とのライフイベント(運動会など)にも支障が出るケースが結構あります。
さらに休みが不規則だと心身のリフレッシュが難しいので、土日休みの確保やカレンダー通りに働ける職場はかなりありがたいと思います。
通勤時間の長さが負担
日本生命基礎研究所の調査によると、通勤時間が片道10分未満の人を基準とした場合、通勤が30分以上になると幸福度スコアは明らかに低下することが分かっています。
通勤時間と幸福度の関係-リモートワークの拡大で幸福度は高まるか?>
長時間の通勤は自由時間や睡眠時間を削る必要性があるためです。
通勤時間が長いと自由に使える時間が減るので、プライベートや家族との時間も削られます。
時間は無限では無いので、毎日の移動コストが積み重なると、実質的な手取りにも影響を与えます。
通勤時間も仕事のうちと考えると、毎日の通勤時間はタダ働きしているようなものですからね。
そんな理由から、もっと家から近い職場を熱望し転職を検討する人も多いです。
実際に、国土交通省の「我が国の居住者をめぐる状況について」では、子育て世帯の共働きの家庭において、通勤時間が40分以内の住居を選ぶ傾向が強いとのことです。
転職で働きやすさを改善できる理由
転職で働きやすさを改善できる理由は
- 勤務先によって残業や休日の条件が異なる
- 自宅近くの職場は通勤ストレスが減る
- 土日休みの施設は少ないからレア
という点です。
病院や施設の種類によって、定時で帰れる職場もあれば残業が多い職場もありますし、自宅近くの職場に転職すればプライベートの予定や家族との時間を確保しやすくなっています。
勤務条件や通勤環境を見直すことで、転職は働きやすさを大きく改善できる手段とります。
勤務先によって残業や休日の条件は大きく異なる
勤務先によって残業や休日の条件は全然違います。
勤務先の種類 | 年間休日の目安・例 |
---|---|
整形外科クリニック | 104〜120日以上 |
一般病院 | 110〜121日 |
老人保健施設(介護老人保健施設) | 110日以上 |
訪問リハビリ | 112日以上 |
※レバウェルリハビリ
PT・OT・ST WORKER での独自調査による
もちろん、有給や夏期休暇など休日の取りやすさも勤務先によって差があり、土日休みが確保できる職場もあれば、シフト制で週末も働く必要がある場合もあります。
私の前の職場は、休む時は担当患者を他スタッフに押し付けるお願いする必要があったので、なかなか休みが取れませんでした。
働きやすさを重視するなら、実際の休日数や残業の実態を確認しておく必要があります。
転職によって自分に合った勤務条件を選ぶことが本当に重要です。
自宅近くの職場に移れば通勤ストレスが減る
自宅近くの職場に転職すると、それはそれは素晴らしいメリットがたくさんあります。
- 朝ギリギリまで寝られる
- 満員電車や渋滞のストレスからの解放
- 帰宅後ご飯やお風呂に入った後まだ暇
- 趣味にあてる時間がぐっと増える
- 昼休みに一度帰宅することも可能
- 同僚に「通勤遠いの?」とマウントとれる
- 時間の余裕で副業や勉強にも手を出せる
結局、自宅近くで働くと仕事以外の時間を思い切り楽しめるんです。
これ、地味に人生の幸福度を底上げしてくれますよ。
土日休みの施設はかなり少ない
北海道PT協会職場環境調査によると、4週8休(土日休み)制度を採用している医療施設の割合は約35.7%というデータがあります。
北海道に限った話ですが、たった35%の施設しか土日休み制度を採用していないので土日休みの職場を探すのは困難を極めます。
土日休みの施設はかなりレア。
だからこそこうした制度がある職場に転職することで、仕事とプライベートのバランスが取りやすく、長期的に安心して働けるんです。
今の職場で我慢すべきか、転職すべきかの判断基準
今の職場で我慢すべきか転職すべきかの判断は、多面的に考えなければなりません。
一応、チェックリストを個人的に作ってみたので、この中から当てはまる場合は転職を真剣に考えるタイミングと言えます。
チェックリスト
仕事だけでなくプライベートも大切にしたい場合、やはり平均値は知っておくべきです。
日本人の平均を上記に箇条書きで出しました。
これを下回るまたは上回る場合、生活への負担が大きいと言えます。
その場合は転職を真剣に考えるタイミングではないでしょうか。
ワークライフバランスを優先した働き方がしたい
ワークライフバランスを重視する場合、まず勤務時間や休日の条件を確認することが重要です。
残業が少なく土日休みや連休が取得できる職場はとても良い職場といえます。
特に気にしたいのは『勤務間インターバル』です。
勤務間インターバルとは仕事終わりから翌日の仕事始めまでの時間のことで、この時間が短いほどプライベートの時間がなくなると言えます。
つまり、9時17時の勤務でも、通勤時間が短い方が勤務間インターバルは長くなりますし、飛び飛びで休みを取る人より連休をとれる人のほうが勤務間インターバルは長くなります。
要は『仕事に関わる時間を短くする』ことが、充実した生活を送れるということです。
転職先の選び方:働きやすさ重視で探すポイント
働きやすさを重視することは非常に重要ですが、その選び方を知らないといつまで経っても見つけることはできません。
ここでは、働きやすさを重視して求人を探すポイントを解説していきます。
残業が少ない職場の見つけ方
残業が少ない職場を見つけることは至難の業。
残業は患者の増減により多かったり少なかったりする可能性があるからです。
求人票を見る場合は、以下のコメントに注目してください。
- 月平均○○時間程度
理学療法士の平均残業時間は5.5時間 - 残業ほぼなし
一般的に月10時間以下 - 定時で帰れる
一般的に月5時間以下
どのような言葉で書かれているか確認する必要があります。
毎日定時で帰れる職場もありますが、あまり多くはないようです。
私の前の職場は毎日定時で帰っていましたが、求人票には『残業:月平均5時間程度』と書かれていました。
企業側も、残業が発生する可能性がある場合は『残業0』『残業はありません』とはコンプライアンス的に書けないのかもしれませんね。
だから絶対に『残業は0時間です』と書かれた求人を探す必要はないと思います。
なるべく残業をしたくない旨を、面接の時に伝えるほかありません。
土日休みが取れる職場の見つけ方
- 週休2日制
- 完全週休2日制
- 週休2日制(シフト制)
- 年間休日120日(※土曜午後休み含む)
- 完全週休2日制(土曜勤務あり)
これらの違い、わかりますか?
あなたは、どの求人を選びますか?
求人票に書いてある表記をしっかり読み込まないと、後で後悔することになります。
解説
- 週休2日制
1週間に休日が2日ある週があるがない週もありシフトや変則の場合もある - 完全週休2日制
毎週必ず2日休みがあるが土日休みとは限らず曜日も固定されない場合もある - 週休2日制(シフト制)
休日は週2日あるが曜日はシフトにより変動し土日休みとは限らない - 年間休日120日(※土曜午後休み含む)
年間の休日が120日だが土曜の午後が休みとしてカウントされ完全に丸1日休みではない - 完全週休2日制(土曜勤務あり)
毎週2日の休日は確保されるが、土曜は勤務がある場合もあり必ず休めるわけではない
つまり、ここで表された求人票の記載は、どれも土日休みを約束するものではないことに注意が必要です。
求人票だけではわかりいくい場合が多々あるので、面接で確実に質問するべきです。
自分で聞きにくい場合は、転職エージェント経由で確認するのが楽ですし確実です。
通勤時間が短い職場の見つけ方
通勤時間は毎日の生活に直結するので、可能な限り家から近い職場を探すことをお勧めします。
ただし、人によっては1時間以上の長距離通勤をメリットに感じている方もいるようです。
信じられません。
とはいえ、やっぱり近いに越したことはないです。
家から近くなくても
- 駅から近い
- バス停から近い
- 送迎バスがある
- 駐車場が無料
- 駐輪場が無料
などの通勤する際のメリットが揃っていればいいと思います。
私の昔の職場は、電車に乗っている時間は10分だったのですが、家から最寄駅まで15分、職場の最寄り駅から徒歩20分の職場だったので、合計すると1時間近くかかっていたことがありました。
距離だけ近くても通勤は大変なので、トータルでどれくらい時間がかかるか?を考えた方がいいと思います。
転職成功のための注意点
転職を成功させるには、給料や待遇だけでなく働きやすさを総合的に判断することが重要です。
いくら年収が高くても、休日出勤や残業が多いと長く働き続けるのは難しいと思います。
転職前の情報収集と比較検討を徹底することで、満足度の高い職場選びが可能になります。
給料や待遇以外に働きやすさを総合的に判断
転職を考える際、給料や賞与だけで判断するのは危険です。
給与水準は確かに重要ですが、残業の有無や休日の取りやすさ、通勤時間もとても大切です。
例え月給は高くても、残業が月20時間もあって土日も出勤するようでは自分自身のQOLも爆下がりします。
転職活動では給与だけでなく、働きやすさや制度面を総合的に評価することが、長く安心して働ける職場選びのポイントです。
複数の求人を比較して自分に合った条件を選ぶ
転職を成功させるには、複数の求人を比較することが重要です。
- 月収・年収
- 福利厚生
- 勤務条件
- 通勤時間
- 残業の有無
- 有給の使いやすさ
- 年間休日
など総合的に見て判断する必要があります。
ちょっとくらい年収が下がったとしても、条件が良ければ働きやすい職場になり得ます。
自分のライフスタイルや希望条件に合った職場を選ぶことが成功の鍵なので、転職エージェントを活用するなど複数の求人を効率的に比較しサポートしてもらうと安心です。
まとめ:理学療法士の働きやすさを最優先に考える転職
理学療法士が転職を考える際に最も重視すべきポイントは働きやすさです。
お金も大事ですけどね。
- 残業の多さ
- 休日出勤の頻度
- 通勤時間の長さ
これらは毎日の生活に大きく影響するので、自分のライフスタイルに合った職場を選ぶことが本当に大切です。
レバウェルリハビリなどの転職サイトを活用すれば、効率的に求人を探せるので安心して転職活動を進められるのが大きなメリットです。
働きやすい職場に移ることで、毎日の生活にゆとりが生まれ、自分のライフスタイルに合った働き方を実現できます。
まずは転職サイトに登録して希望条件に合う求人を確認し、理想の職場を見つける行動を始めるべきです。