理学療法士が介護老人保健施設(老健)で働くメリット・デメリット|仕事内容・給料・将来性を徹底解説

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近年、理学療法士(PT)の転職先として注目されているのが 介護老人保健施設(通称:老健) です。

「病院でのリハビリはイメージできるけど、老健ってどんな仕事をするの?」と思う方も多いでしょう。

 

本記事では、老健で働く理学療法士の仕事内容、給料、勤務形態、メリット・デメリットを徹底的に解説します。

老健に転職を考えているPTの方、新卒で就職を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

介護老人保健施設(老健)とは?

介護老人保健施設(老健)は、病院と自宅の中間施設 として位置づけられています。

入院治療を終えた高齢者が、在宅復帰を目指すために一定期間生活しながらリハビリや介護サービスを受ける場所です。

  • 医師が常駐(利用者100人に対して1人以上が義務付け)
  • リハビリスタッフ(PT・OT・ST)や看護師、介護職員が連携
  • 在宅復帰をゴールに支援する施設

病院のように急性期疾患の患者は少なく、慢性的な腰痛や廃用症候群、認知症を抱える高齢者が中心になります。

 

👉 老健では「患者さん」ではなく「利用者さん」と呼び、医療的ケアだけでなく生活支援の側面も重視される点が特徴です。

 

老健の利用者層|どんな人が対象?

老健の利用者は 65歳以上かつ要介護1以上の認定を受けた方 です。

対象者は、日常生活で介助が必要なケースがほとんどで、自立度は低めです。

年齢層:65歳〜90歳前後が中心
状況:退院後で在宅復帰を目指す方、または一時的に介護が必要な方
介護度:要介護1〜5(要支援は対象外)

 

つまり、病院でのリハビリ経験をすでに持つ利用者が多い のが特徴です。

 

理学療法士が老健で求められる役割

病院での理学療法士は「運動学・解剖学・生理学」を駆使し、機能改善を目指した治療が中心です。

一方、老健ではそれに加えて 生活動作の介助や支援スキル が必要になります。

老健でPTが行う仕事内容

  • 歩行・立ち上がり・起居動作の訓練
  • 認知症予防・廃用症候群予防の運動指導
  • 集団体操・レクリエーションでの運動支援
  • 入浴動作やトイレ動作の指導・介助
  • 食事・着替えなど日常生活動作(ADL)のサポート
  • オムツ交換やパッド交換(必要な場面あり)
  • 屋外歩行や散歩の付き添い

👉 病院と違って 生活そのものに寄り添うリハビリ が中心となります。

 

老健で働くメリット

ワークライフバランスが取りやすい

  • 基本的に 8時間勤務(休憩1時間)
  • 残業は少なく、ほぼ定時退勤(17:00〜17:30退社が一般的)
  • 土日休みの施設が多く、GW・夏休み・年末年始の休暇も確保しやすい

病院に比べて プライベートを充実させやすい のが大きな魅力です。

 

安定した給与水準

  • 月給:23万円〜26万円程度
  • 賞与:年2〜3か月分(年間60万円前後)
  • 年収:380万円〜420万円

PTの初任給平均(350万円程度)よりも高めで、都市部ではさらに給与水準が上がります。

 

ケアマネージャー資格取得に有利

老健では介護保険制度に基づいた支援が多いため、介護支援専門員(ケアマネージャー)資格 を目指す理学療法士が少なくありません。

生活支援スキルを活かして、キャリアの幅を広げることができます。

 

老健で働くデメリット

治療技術を発揮しにくい

利用者さんの多くは「積極的な運動」より「マッサージ」を望む傾向があります。

学んできた専門技術を十分に活かせない場面も多く、「物足りなさ」を感じるPTもいます。

 

インシデントリスクが高い

  • 転倒リスク:骨折の可能性が高い
  • 急変リスク:高齢者特有の体調変化
  • 認知症による危険行動
  • 他者への危害行動

リハ中は一瞬の油断も許されず、注意力が常に求められます。

 

新卒にはハードルが高い

  • 既にリハ経験を持つ利用者が多く「前のスタッフと比較される」
  • 医療技術よりも生活介助が中心となるため「やりがいを見失う」ケースも

そのため、病院で数年経験を積んでから老健に転職する方が安心 という意見もあります。

 

老健でのリハビリ実態

  • 1人あたりのリハビリ時間:週2回以上、1回20分が基本
  • 個別リハビリ+集団体操(これもカウントされる)
  • 日によってリハ件数は変動(介助やイベントが入るため)

👉 リハビリだけでなく介助業務が多いため、「純粋にPTスキルを磨きたい人」には物足りなく感じる可能性があります。

 

老健で働く理学療法士の将来性

高齢化社会が進む中で、老健やデイサービス・訪問リハの需要はますます増えています。

老健での経験は 在宅リハビリや地域包括ケア に直結し、今後も大きな武器になります。

  • ケアマネージャー資格取得につながる
  • 訪問リハへのキャリアチェンジがしやすい
  • 高齢者リハに強いPTとして専門性を発揮できる

 

老健は新卒PTにおすすめできる?

結論から言うと「ケースバイケース」です。

おすすめしにくい人
  • 急性期リハを学びたい人
  • 治療技術を徹底的に磨きたい人

 

おすすめできる人
  • 高齢者との関わりが好きな人
  • 老健で実習経験がある人
  • 将来ケアマネや訪問リハを目指す人

 

👉 「患者の治療をしたい!」という思いでPTを志した方には物足りないかもしれません。一方で、生活支援を重視するリハ に魅力を感じる方には大きなやりがいがあります。

 

まとめ|老健で働く理学療法士のリアル

介護老人保健施設(老健)は、病院とは大きく異なる職場です。

理学療法士には、リハビリ技術だけでなく 介護・生活支援スキル が求められます。

 

メリット:ワークライフバランス◎/安定した給与/ケアマネ資格に有利
デメリット:治療技術を活かしにくい/転倒などのリスク管理が必須

 

「高齢者と関わりたい」「地域リハに興味がある」方にはおすすめの職場ですが、新卒でいきなり老健に飛び込むのは少しハードルが高いかもしれません。

今後のキャリアをどう築きたいかを考えた上で、老健という選択肢を検討すると良いでしょう。

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