令和8年度の診療報酬改定では、新たに休日リハビリテーション加算が新設されました。
上記の資料を見ると難しい言葉が多く、「結局何が変わったの?」と感じる方も多いと思います。
- 結局どういう制度なの?
- 理学療法士の働き方は変わるの?
という疑問も浮かんでくるでしょう。
休日リハビリテーション加算とは、土曜日・日曜日・祝日にリハビリを実施した場合、1単位につき25点が加算される制度です。
目的は、急性期患者のリハビリを休日も中断させず、早期回復につなげることです。
この記事では、新人理学療法士でも理解できるように、制度の目的や対象患者、算定要件をわかりやすく解説します。
参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 説明資料 13. 重点的な対応が求められる分野(リハビリテーション)」
休日リハビリテーション加算とは?
休日リハビリテーション加算とは、土曜日・日曜日・祝日などに疾患別リハビリテーションを実施した場合に算定できる新しい加算です。
【加算内容】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加算点数 | 1単位につき25点 |
| 対象日 | 土曜日・日曜日・祝日・12月29〜31日・1月2〜3日 |
| 対象 | 疾患別リハビリテーション料 |
| 施行 | 2026年6月 |
つまり、20分(1単位)のリハビリを休日に実施すると、通常のリハビリ点数に25点が上乗せされます。
なお、この加算は早期リハビリテーション加算・急性期リハビリテーション加算・初期加算との併算定も可能なので、条件を満たせば、複数の加算を同時に算定できます。
対象となる疾患
休日リハビリテーション加算は、次の疾患別リハビリテーション料が対象です。
- 心大血管疾患リハビリテーション料
- 呼吸器リハビリテーション料
- 脳血管疾患等リハビリテーション料
- 廃用症候群リハビリテーション料
- 運動器リハビリテーション料
ほぼすべての主要な疾患別リハビリが対象になっています。
ただし、算定できる期間は30日までです。
詳しく言うと
発症・手術・急性増悪から7日目、または治療開始日のいずれか早い日から起算して30日目まで
となっています。
注)疾患別によって異なるので確認してください
つまり、患者が急性期の場合のみ評価される制度となっています。
例えば脳梗塞を発症した患者さんなら、発症後約1か月間は休日リハビリが評価されますが、その後は加算対象外になります。
つまり、慢性期病院や訪問リハにはほとんど意味のない加算とも言えます。
なぜ休日リハビリが評価されるようになったのか
今回の改定の理由は、介入頻度を増やすことが目的となります。
例えば、土日休みの病院の場合
- 金曜日に入院すると初回リハビリが月曜日になる
- 土日で2日間リハビリが止まる
- 発症直後の大切な時期に機能低下が進んでしまう
というケースが非常に多い。
実際、脳卒中や術後急性期ではリハビリ開始が遅れるほど退院時のADLや身体機能に悪影響を及ぼすことが報告されています。
そこで国は、「土日もリハビリを提供する病院を診療報酬で評価しよう」という制度を新たに設けました。
つまり、休日リハビリテーション加算の目的は病院の収益を増やすことではなく、患者の回復機会を逃さないことが目的です。
つまり、25点の加算があるから当院も土日にリハをしよう!という病院が増えることを期待しています。
働く身としてはちょっと微妙な改訂かもしれませんが、患者のためを思うと良い改訂だとも思います。
回復期リハビリ病棟にも関係がある
回復期病棟はもともと365日リハビリだから関係ないと思う人もいるかもしれません。
確かに回復期リハビリ病棟では、以前から休日もリハビリを提供している施設がほとんどです。
しかし、今回の改定では回復期リハビリテーション病棟入院料でも、土曜日・休日を含めてリハビリを提供できる体制が改めて求められました。
また、急性期で休日も継続してリハビリが行われることで、
- 回復期へ転院した時点で身体機能が維持されやすい
- 廃用が進みにくい
- 実績指数にも良い影響を与える可能性がある
など、回復期にも間接的なメリットがあります。
つまり、この制度は急性期から回復期まで含めた切れ目のないリハビリ提供体制を目指していると考えられます。
患者にとっての365日リハという理想像がここにあります。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士への影響
制度が変わると、現場で働くセラピストにも影響があります。
メリット
- 患者の廃用予防
- 患者の早期離床
- 患者のADL改善
- 患者の在院日数短縮
などが期待できます。
また病院としても診療報酬が増えるため、休日リハビリ体制を整備しやすくなります。
もしかしたら給料も少し上がる施設もあるかもしれません。
デメリット
- 土日勤務が増える
- シフト制へ変更される
- 人員不足のまま休日対応を求められる
- 加算が増えても給料に反映されない可能性
- 加算期間を超えた患者のリハ頻度が下がる
というケースも考えられます。
病院が加算を取得しても、その収益が休日手当や人員配置に還元されなければ、スタッフの負担だけが増える可能性があります。
そのため、「加算を取得すること」と「働きやすい職場を作ること」はセットで考える必要がある
と言えます。
でも現場の理学療法士がそこまで声を上げられることができず、土日出勤になって給料も上がらない病院が多くなるのではないかと想像に難しくありません。
また、休日加算を超えた患者は、土日のリハをさせてもらえないかもしれません。
加算のメリットがないですから。
そのため、まだ十分なADLを確立できていないのに早期退院させられてしまうパターンももしかしたらあるかもしれません。
2026年度改定が目指す急性期リハビリとは
今回の改定全体を見ると、国が目指している方向性は非常にわかりやすくなっています。
それは、
- 入院後できるだけ早くリハビリを開始する
- 離床を積極的に進める
- 土日もリハビリを止めない
という3つです。
休日リハビリテーション加算は、2026年度診療報酬改定で新設された制度です。
ポイントを整理すると、
- 土曜・日曜・祝日のリハビリに1単位25点を加算
- 発症・手術・急性増悪などから30日間が対象
- 早期リハ加算などとの併算定が可能
- 急性期で切れ目のないリハビリ提供を目的としている
というポイントを理解していれば十分だと思います。
休日加算の制度の本質は、病院の収益を増やすことではありません。
患者にとって最も重要な急性期に、カレンダー(休み)の都合でリハビリを中断させないことが目的です。
それを診療報酬で後押しする仕組みが、休日リハビリテーション加算です。
私自身、回復期で勤務していても急性期から転院してくる患者さんの状態は毎日見ています。
急性期で土日にリハビリが継続されれば、回復期での介入もしやすくなる患者さんは増えるのではないかと感じています。
今後は急性期病院だけでなく、回復期病院やリハビリ職全体にも少なからず影響が及ぶと思います。
制度の内容を正しく理解し、自施設ではどのような対応が必要になるのかを整理しておくことが大切です。





