病院で働く理学療法士の仕事は一般的なサラリーマンと違い、結構過酷です。
特に『人間関係で辞めたい理学療法士へ限界のサインと後悔しない転職の考え方»』という記事でも紹介したように、人間関係も結構大変です。
それ以外にも
- 給与が低い・昇給が見込めない
- 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)
- 個人の成果で評価されない
- 肉体的または、精神的につらい
- 昇進・キャリアアップが望めない
などさまざまな問題も抱えています。
事実、これらの問題は転職サービス「doda(デューダ)が転職理由について調査した時、2025年の転職理由の上位に食い込んでいます。
病院で働く理学療法士は『仕事が辛い・やりがいを感じない』と思っている人も多く、毎日を惰性で生活している方も非常に多いです。
事実、私もそうでしたが、忙しすぎて病院と自宅を往復する生活のみで『これ、生きている意味あるの?』と疑問に思ったこともあります。
そう考えてしまう理学療法士に足りないのは、はっきり言って『お金』と『時間』です。
つまり、給料が良くて定時で帰れて休みがたくさんあれば『辛い』と感じることはほとんどないと断言できます。
まさしく私がそうだからです。
この記事では、まず病院で働く理学療法士がなぜ仕事が辛いのか?を言語化します。
そのあと、なんでお金と時間があれば辛くないのか?をお伝えします。
この記事を読めば、病院で働くことが辛いと思っているあなたの気持ちは確実に軽くなるはずです。
ぜひご一読ください。
病院仕事の理学療法士が辛いと感じやすい主な理由
まずは病院で働く理学療法士が『仕事が辛い』と感じる理由から解説します。
① 人間関係のストレス
最も多い理由が人間関係のストレスです。
医師や看護師、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカーなど、多職種との連携が必須であり、関わる人数が多い分だけ気遣いも増えていきます。
私が病院で働いていた頃、特に感じていたのは、上下関係の強さです。
医師や看護師との間で板挟みになる場面も多く、まだ経験の浅い自分は意見を素直に言えない雰囲気です。
また、上司や先輩の指導が厳しく、理不尽だと感じることも少なくありませんでした。
今はだいぶ和らいできましたが、平成時代は結構厳しかったんですよ。気になったら先輩のスタッフに聞いてみてください。
職場によっては閉鎖的で、派閥や陰口も当たり前のように存在しているところもあるようです。
そうした空気の中で働いていると、自然と気を使いすぎて毎日ぐったりしていまいますよね。
高校、大学では円滑に過ごしてきた自分にとって、人間関係がここまで負担になるとは想像していませんでした。
② 給料が低い・上がらない
理学療法士が「給料が低い・上がらない」と感じる人は非常に多く、私も実際にそう思っています。
新卒の年収はおおよそ300〜350万円前後が一般的ですが、そこから5年間の経験を積んでも、20代後半で約380〜400万円程度のケースが多く、大きく伸びるわけではありません。
30代に入っても年収は400〜450万円前後がボリュームゾーンであり、医療職としてはそこまで給料が伸びる仕事でもありません。
理学療法士の平均年収は約420万円程度で、日本全体の平均(450万円)と比べても高いとは言えません。
昇給もそこまで跳ねる見込みはなく
- 昇給はあるが「上昇幅は小さい」
- 昇給ペースは緩やか(1000〜3000円程度)
が一般的で、体感としては「ほぼ上がらない」と感じます。
実際に私も
- 昇給は年500円
- 役職がついても1万円
といった経験をしており、体感的には昇給なんてほぼない仕事なんだと思っています。
もちろん、職場によるんでしょうけど。
またボーナスも2ヶ月程度が相場で、病院によってはさらに低いこともあり、努力や成果が収入に直結ししません。
つまり
- 1日15単位だろうが22単位だろうがボーナスは変わらない
- 認定し過去を持っていても持っていなくてもボーナスは変わらない
といったように努力しなくても同じなんです。
こういった賃金体系が業務量とのギャップを生み、「割に合わない・辛い」と感じる最大の原因になっています。
③ 業務量が多すぎる
理学療法士は賃金の割に業務量が多すぎると感じていませんか?
私は入院患者12人と外来患者50人を抱えていた時は流石に『多すぎる』と感じていました。
病院勤務ではスケジュールが20分単位で組まれることが多く、常に時間に追われながら業務をこなす必要があります。
さらにリハビリ業務だけでなく
- 記録や書類作成
- カンファレンス
- 勉強会
- 家族対応
など業務は多岐にわたります。
とくに急性期病院では患者の回転率が高く、新規患者への評価や目標設定、介入、記録を短時間で繰り返す必要があり、負担はより大きくなります。
このように気を抜く時間がほとんどない状態が続くので、身体的な疲労だけでなく、精神的なダメージが蓄積されます。
④ 休みが少ない・拘束時間が長い
正直、私も思っていたことですが、理学療法士として働いていて一番きついと感じたのは、休みや自分の時間ががほとんどない生活でした。
定時になっても、実際は記録や準備が終わらず、気づけば毎日のように残業。
周りも当たり前のように残っているので、帰りづらい空気もありました。
毎日19時くらいまでは残っていましたね。
もちろん昼休みは60分ありますが、その半分は仕事(カルテ記入など)をしていました。
さらに、スキルアップのための自主学習もしなければならないので、プライベートの時間が削られていきます。
休日も勉強会や研修に参加することが多く、正直「いつ休めばいいんだろう」と感じていました。
せっかくの休みも仕事の延長のような感覚で全くリフレッシュできません。
有給も取りづらく、人手不足の中で「自分だけ休むのは申し訳ない」と思ってしまい、結局ほとんど使えませんでした。
こうした積み重ねが、働き続けることへの辛さにつながっています。
同じような人は多いと思いますし、私的には『休みが取れない』というのが一番きつかったですね。
⑤ 評価されにくい・やりがいを感じにくい
私自身、理学療法士として働く中で「評価されにくい」と感じた経験があります。
日々患者さんと向き合い、少しずつできることが増えていく姿を見てやりがいは感じていましたが、その変化はゆっくりで、自分の関わりがどれだけ成果につながっているのか実感しづらいことがありました。
また、評価は上司の判断に左右されることが多く、自分なりに努力しても思ったように評価されないと感じる場面もありました。
例えば
- 毎日20単位とっている
- 後輩指導に当たっている
- 日々自己研磨をしている
など頑張っていても、それが絶対に評価に反映されるとは限りません。
もちろん、給料やボーナスにも響きません。
この状況が続くと「このまま仕事を続けていても報われるのか」と悩んだ時期もあります。
将来とか不安ですしね。
こうした経験から、やりがいを感じつつも、次第にモチベーションを維持することが難しくなっていったのを覚えています。
やっぱり我々も人間ですから、誰かから評価されそれが実際に目に見える対価として与えられなければモチベーションの維持は困難なんですよね。
理学療法士が辛い病院の仕事を我慢し続けるとどうなる?
病院の仕事は辛いけど、泣き言を言ってはいられません。
働かなければ給料はもらえないし、患者も待っています。
そんな思いで頑張って仕事を続けると、どうなると思いますか?
そう、簡単にいえば鬱傾向になります。
昔、臨床実習に行った時にまだ新人らしき理学療法士が先輩に詰められていました。
たまたまその新人理学療法士と話す機会があったのですが、その新人さんは『朝来るのが嫌で何度か道路に飛び出しそうになった』と語っていました。
まだ学生の私にそんなことを言うくらいだったんだから、相当追い詰められていたのかもしれませんね。
今どうしてるのかなぁ。
仕事って最初から辛いわけじゃないんですよね。
仕事の辛さは、小さな違和感から始まります。
- 小さな違和感(まだ頑張れる)
なんとなく合わない・言い方が気になる・疲れやすい - 軽いストレス(我慢すればなんとか)
特定の人が苦手・朝が憂うつ・仕事のことを考える時間が増える - 慢性的なストレス(慣れで麻痺)
毎日しんどい・楽しさややりがいを感じない・休日もリフレッシュできない - パフォーマンス低下(悪循環)
ミスが増える・集中力が続かない・人間関係がさらに悪化 - メンタル・身体の不調
出勤前に気分低下・睡眠の質の悪化・食欲低下や過食 - 思考停止・諦め状態
どうでもよくなる・何も考えられない・ただ時間が過ぎるのを待つ - 限界
休職・急な退職・フェードアウト
こんな流れです。
あなたはどの段階ですか?
4.パフォーマンス低下あたりならまだリカバリーが可能ですが、5.メンタル・身体の不調以降の状態だと医者にかかる方がいいかもしれません。(そもそもこの記事をここまで読み進められていないかもしれない)
長く健康に働き続けるためにも、限界まで我慢するのは得策ではありません。
ここまで読み進められたあなたなら、まだ修正できるチャンスが残っています。
今の職場が合わないだけの可能性もある
『病院の仕事が辛い・理学療法士の仕事そのものが嫌になった』と感じていても、実際には職場環境の問題なのかもしれません。
たとえば次のようなケース。
- 急性期が合わず回復期なら適応できる
- 教育体制が整った職場なら成長できる
- 人員が多ければ余裕を持って働ける
- 評価をしっかりしてくれる職場ならやりがいを感じる
同じ理学療法士でも、働く場所によって負担も満足度も大きく変わります。
これは今でも本当にそう思います。
理学療法士=病院で働く。という図式にとらわれていませんか?
病院がダメなら施設や訪問看護ステーションなどいくらでも働き口があるのが我々が持つ『理学療法士』という資格の強みです。
病院以外にも理学療法士の働く場所は多い
もし病院勤務に限界を感じているなら、働く場所を広げて考えることも大切です。
代表的な選択肢は次の通りです。
- 回復期リハビリテーション病院
- 訪問リハビリ
- 介護老人保健施設
- デイケア、デイサービス
- 整形外科クリニック
- スポーツリハ分野
- 企業、産業分野(装具、物理療法など)
私は整形外科クリニックで働いていましたが、外来の多さと不定期な患者層、そして長時間の拘束時間が本当に嫌だったので回復期リハビリ専門の病院に転職しました。
私には回復期のような1回のリハで3単位取れるくらいゆっくりした働き方の方が合っていたようです。(整形外科クリニックでは1単位を23人とかやっていた)
もちろん、回復期のような1人の患者に3単位もかけるのが嫌な人もいるかもしれません。
でも仕事内容が変わると、感じるストレスも大きく変わります。
あなたがその仕事に固執する必要は本当にあるのか、ちょっと立ち止まって考えてください。
あなたが辛いと感じているのは理学療法士という職業でなく、今の職場の働き方なだけの可能性がとても高いです。
今の職場で働き続けるべきか判断する方法
それでも今の職場で働くべきか悩んでいるなら、次の質問に答えてみてください。
チェックリストを作ったので『はい/いいえ』の2択で答えてみてください。
- 職場の問題は改善される見込みがある
- 上司に相談できる環境がある
- 仕事内容そのものは好きだ
- 来年も同じ働き方を続けたい
- 通勤時間が40分以内だ
- 休みが年105日以上ある
- 家に着いてから眠るまで5時間以上の時間がある
- 毎月給料の20%の貯金ができる
- ご飯が美味しい
- 毎日必ずお風呂(シャワー)に入っている
- 0〜2個:問題なし。そのまま働き続けてください
- 3〜6個:注意信号。転職の準備をしよう
- 7個以上:危険信号!すぐにそこから離れる準備を!
もし『いいえ』が多い場合は、環境を変える検討を始めるタイミングかもしれません。
なぜなら、あなたの職場は平均以下の職場環境の可能性があります。
平均的な職場とは・・・
以上を超えていなければ数値的な平均を超えていないことになります。
平均以下の職場で働くのは、そりゃ辛いと思いますよ。
理学療法士が辛い病院の仕事からの転職でやるべきこと
今の仕事が辛いと感じたら、その職場で頑張る必要はそんなにありません。
新しい職場に移動した方が絶対に良いです。
ただし、理学療法士が病院勤務が辛いと感じたとき、いきなり退職を決断するのはいけませんね。
まずは情報収集から始めることがとても重要です。
- 自分に合った職場はどんな職場か?
- 自分が必要としている福利厚生は何か?
- 自分が最低限満足できる給料はいくらか?
- 自分が最低限満足できる食う日数は何日か?
- 自分が最低限我慢できる残業時間は何時間か?
- 自分が希望する通勤時間は何分か?
これらの条件を列挙し、それにあった職場を検討する必要があります。
せっかく転職するんだから妥協なんかしてはいけません。
『こんな条件はないだろうな』と諦めるんじゃなく、その条件を探しに行くべきです。
改めて、理学療法士の平均的な職場の条件を列挙します。
平均的な職場とは・・・
- 平均通勤時間:片道39.5分(SUUMO参照)
- 年間休日:完全週休2日制=年間104日
- 平均余暇時間:平日4.2時間(MarkeZine参照)
- 平均貯蓄額:理想は給与の20%(MUFG参照)
- 平均年収:443万円(コメディカルドットコム)
- 平均月収:30万9000円(コメディカルドットコム)
- 平均賞与:71万7000円/年(コメディカルドットコム)
この条件を満たしてこそ、平均以上の職場と言えますよ。
こういった良い条件の職場を探すなら、理学療法士専門の転職支援を活用することが有効です。
職場の雰囲気や離職率、教育体制といった内部情報は個人では調べにくいため、専門エージェントを使うことで失敗リスクを大きく下げることができます。
私が使ったことがある転職サイトは
PT・OT・ST WORKERと
レバウェルリハビリです。
この2つはいろいろな情報もくれるし、メールでの相談も可能なので非常におすすめです(私は電話が嫌いです)
そして忘れてはいけないのは、辛さを感じて転職することは決して逃げではないということ。
仕事は楽しく、真剣に、積極的に取り組んでこそ充実した毎日が過ごせます。
苦しみながら働いても何の生産性もありませんよ。
辛い職場から環境を変えることは、理学療法士として長く働き続けるための前向きな戦略といえます。
まとめ
私自身、病院で理学療法士として働いていたとき「この仕事、正直きついな」と感じることが何度もありました。
特にしんどかったのは人間関係で、医師や看護師との連携、上司や先輩への気遣いなど、常に周囲の空気を読み続ける毎日に疲れてしまっていました。
また、給料はなかなか上がらず、業務量も多く、毎日のように残業。
頑張っても評価されている実感がなく、「このまま続けていて大丈夫なのか」と不安になることもありました。
当時は「理学療法士という仕事自体が辛い」と思っていましたが、振り返ると問題は職業ではなく、職場環境だったと感じます。
実際に転職を考え、他の職場の条件や働き方を知ることで「こんなに違うのか」と驚いたのを覚えています。
すぐに辞めるのではなく、まずは情報収集から始めて、自分の希望条件を整理することが本当に重要です。
結果的に、以前よりも働きやすい環境に移ることができます。
あのとき感じていた辛さは、自分の能力やコミュニケーション不足ではありません。
絶対に環境が悪かったと今でも100%思っています。
職場を変えることで、今は無理なく働き続けられていますし、かなり良い条件で勤続できています。
もし当時の自分と同じように悩んでいるなら、まずは転職サイトに登録し、どんな仕事があるのか、自分にはどんな仕事があっているのかを調べ、情報収集することを強くお勧めします。
本当に、今の病院が辛いなら我慢する必要はないと思いますよ。




